TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームがマニュファクチャラー選手権4連覇を達成した、ラリージャパン2024。開催中のステージイベントにおいて、中嶋裕樹トヨタ自動車副社長(商品担当)から「セリカ、やります!」発言を引き出したベストカーの本郷仁編集担当取締役の話術のおかげで、いよいよ正式に次期セリカ誕生の狼煙が上がった。筆者が考える、次期セリカに期待したいことを考えてみた。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】復活の噂が飛び交う、トヨタ「セリカ」の初代モデル(10枚)画像ギャラリーやはりWRC向けのベースマシンとして誕生することが望ましい
トヨタ「セリカ」は、1970年に登場。世界ラリー選手権で大活躍したことで知られているが、2006年に7世代目をもって生産終了となっている。
(モリゾウ氏を介して)中嶋副社長から「セリカ、やります!」という発言を引き出せたのが、ラリージャパン開催中のステージイベントだったこともあり、現場参加者のほとんどはWRCファンだったはずだ。最終型となった7代目セリカの終売から20年近く経過し、時代背景も、トヨタの状況も、大きく様変わりした。中嶋副社長も、「(新型セリカについて)正直、いまは影も形もありません。ただ社内でもセリカを待ち望む声が大きい。」と話していることから、希望をいうのなら、いまがチャンスだ。次期セリカには、どうあってほしいのか、考えてみよう。
次期セリカは、やはりWRC向けのベースマシンとして誕生することが望ましいと筆者は考える。トヨタは2022年から、GRヤリスをベースとしたマシン「GR YARIS Rally1 HYBRID」を使用しているが、グローバルでヤリスの名を周知させることに成功したいま、この先の販売戦略を考えれば、「セリカ」に4WDスポーツの跡を継がせることはウェルカムなはずだ。
ただ、2ヵ月間で2500台以上という規定台数をクリアできるのかは課題
ただ、市販車をベースにした車両で競うWRCは、レギュレーションで様々なルールが規定されており、ベース車からあまりにかけ離れた改造は認められない。GRヤリスのような、ある程度のスペシャルマシンとする必要があり、次期セリカにも、専用ボディ、専用エンジン、専用4WDシステムなどは織り込む必要がある。しかもルール上、12ヵ月間でベース車2500台以上、ファミリー(同一プラットフォーム)合計で2万5000台以上という生産台数が規定されているので、行き過ぎたスポーツマシンだと規定台数が売れず、ホモロゲーションが得られないリスクがある。
この規定はWRCへの参加障壁を下げるため、今後も撤廃される可能性が低い。ヤリスとGRヤリスの関係のように、セリカも、ベースグレード「セリカ」と、スポーツスペックの「セリカGT-FOUR(仮)」という構成になるものと考えらえるが、コンパクトカーのヤリスと、2ドアクーペのセリカとでは、事情が全く異なる。
ちなみにGR86は、日本で月500~600台、北米では月1000台程度(2024年のデータ)。GR86同等の販売台数では、ホモロゲーションを得ることはできず、仮に2ドアクーペのスタイリングとなるならば、ベース車の2,500台はまだしも、ファミリーで25,000台以上という規定台数をクリアできるのかが、第一の障壁となる。
コメント
コメントの使い方新セリカにWRCイメージ引き摺らせるのは反対です
今や日本除く世界中でWRCと言えばトヨタでヤリスのイメージ。それ構築するのにどれだけの人と時間と資本掛かったか
せっかく作った生粋スポーツカーGRヤリスのブランドと4万人ものオーナーを傷つけることになる上、素ヤリスのイメージupにも貢献してるのに、それらと比較すれば圧倒的に販売数少なセリカの為に手放すなんて
セリカは低くて格好いいスペシャリティーで