2024年の新車販売は50ccのみ増加、最後の原付一種ブームを象徴する1台がスーパーカブ50ファイナルだ

2024年の新車販売は50ccのみ増加、最後の原付一種ブームを象徴する1台がスーパーカブ50ファイナルだ

 2024年の二輪新車販売は落ち込み、4年ぶりに40万台を下回った。その一方で原付一種(50cc以下)クラスのみ増加。生産終了を控え、駆け込む需要でちょっとしたブームが巻き起こっている。中でも人気を得ているのが、67年の歴史に幕を降ろすスーパーカブ50のファイナルエディションだ。

 
文/沼尾宏明
 

原付一種が2年ぶりに10万台を突破、原付二種とほぼ並んだ

 業界紙「二輪車新聞」の独自調査によると、2024年の二輪新車需要台数は36万8300台で、前年比3万6452台減(9%減)。2020年以来、4年ぶりに40万台を割り込んだ。そんな中、排気量別に見ると唯一増加したのが原付一種クラス(50cc以下)だ。 

 前年比1万6931台(18.1%増)の11万700台で2年ぶりに増加。10万台超えも2年ぶりとなった。原付二種(51~125ccc)は3万5446台減(23.8%減)の11万3200台。昨今は原付一種より二種の方が圧倒的に人気だったが、昨年に限っては同等のセールスを記録した。

 なお軽二輪(126~250cc)は1万4648台減(20.4%減)の5万7000台。小型二輪(251cc以上)は3289台減(3.6%減)の8万7800台だった。

 原付一種をメーカー別に見ると、いずれのメーカーも二桁%増となった。最も伸びたのがホンダで1万657台増(23.5%増)の5万6100台。車種別ではタクト=2万2000台、ジョルノ=6700台、ダンク=1800台、EM1e:=1000台、スーパーカブ50シリーズ=5900台が人気を博した。

 ヤマハは前年比4037台増(10.9%増)の4万1000台。ジョグシリーズ=1万9000台、ビーノ=1万200台、ギアシリーズ=8200台、E-ビーノ=400台だった。スズキは2237台増(20.4%増)の1万3200台で、レッツシリーズ9700台、アドレスV50=2400台。

 

 ※原付一種および二種の台数は「二輪車新聞」推定の出荷台数。軽二輪と小型二輪は全国販売台数。車種別の出荷台数は2024年1~11月のデータ。

 

 

2024年1~11月の期間、車種別ではベーシックスクーターのタクト(ホンダ)がクラス販売1位だった。アイドリングストップを採用する標準モデル(19万2500円)と、シート高を15mmダウンの705mmとした「ベーシック」(17万9300円)が選べる。

 

 
 
 

もう買えない! 生産終了前の駆け込み需要でセールス増

 原付一種が増加したのは、やはり生産終了による「駆け込み需要」の影響だ。

 従来の原付は、11月から施行される次期排ガス規制に対応することが困難。技術的にクリアできたとしても、非常にコストがかかり、車両価格が高額になってしまう。

 また、近年50ccはほぼ日本専売となっている上に、国内の需要は減少を続けている。コストをかけて排ガス規制をクリアしたとしても採算が取れないことから、メーカーは50ccの生産を終了する予定だ。

 これに代わる移動手段として生まれたのが「新基準原付」。これまでの原付=50cc以下という枠組みに対し、排気量は125cc以下で、最高出力を4kW(5.4ps)以下に制御したモデルを新基準原付として扱い、従来の原付免許や普通自動車免許で運転できるようになる。

 なお、明確にメーカー側が50ccの生産を打ち切ると発表したわけではないが、スーパーカブ50は生産終了を決定。ホンダは5月末で50ccの生産終了を予定していたが、50ccの注文が殺到していることから新排ガス規制が始まる10月末まで生産を延長する、との情報もある。

 

生産終了があまり表立っていなかった2023年頃は50ccの新車在庫が豊富だったが、現在は品薄。ただし店頭在庫はあるだろう。

 

 

2025年4月1日以降、原付一種は50ccという排気量ではなく、最高出力で区分。免許制度や交通ルールも従来の原付一種を引き継ぐ。

 

 
 

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