寒さが厳しい冬の朝は、車内も凍てつくような冷たさ。あまりの寒さに、シートやハンドルに触れるのをためらうこともありますよね。
そのため、クルマに乗り込んだらエアコン全開!! といきたいところですが、実はクルマは、エアコンを全開にしたところで車内は暖まらず、それどころか、始動直後は、エアコンはオフにしておいたほうが早く暖まります。冷えきった車内を効率的に暖める方法をご紹介しましょう。
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Petro/写真:Adobe Stock、写真AC
【画像ギャラリー】寒い車内を効率的に温める方法は? 走り出したらすぐエアコン全開が正解?(7枚)画像ギャラリー始動直後は、エアコンをオンにしても冷たい空気がでてくるだけ
カーエアコンは、家庭用のエアコンとは違い、エアコンが働いて暖かい風をつくることはしていません。カーエアコンの主な役割は冷房と除湿であり、暖房では、エンジンの熱を利用して暖めた空気を車内に送っているだけなのです。正確には、エンジンが稼働することで発生した熱が冷却水に伝わり、その温められた冷却水を使って空気を暖め、車内に送り込む仕組みです。
そのため、エンジンが冷えている状態では暖房の効果がなく、エアコンをオンにしても冷たい空気がでてくるだけ。エンジン始動直後は暖房のスイッチを入れるのを我慢し、エンジンが温まってからオンにするほうが、効率的に車内を温めることができます。エンジンが冷たい状態でエアコンをオンにすることは、冷却水に風を送ることで、かえってエンジンが温まることを遅らせてしまうことにもなります。
エアコンをオンにするタイミングは、エンジン冷却水の温度が低いことを示す「低水温表示灯」の点灯が消えてから、水温計の場合には低温の位置から針が動き出してからがよいでしょう。
なおハイブリッド車やバッテリーEV、一部のガソリン車の中には、PTCヒーターというエアコンシステムを搭載しているクルマがあります。PTCヒーターとは、主にエンジン始動直後、空調が温かい風を出せるようになるまでの間、先に電気的に温める装置のこと。電気を使って発熱するため、エンジン熱を使用する通常のヒーターよりも温度の上昇が早まるため、エアコンをすぐにオンにしてもOKです。寒冷地仕様だと標準装備となる場合もありますので、取扱説明書や購入店で確認してみてください。
オートエアコンであれば、クルマに任せてOK!!
ただ、オートエアコンが搭載されているクルマの場合は、こうした操作を自動でやってくれるため、ドライバーがわざわざ切り替える必要はありません。温度の設定は好みにする必要がありますが、オートエアコンであれば、エンジン冷却水が温まるまで、風は出てきません。
エアコンをオフにしていても暖かい空気が送風されることから、「冬は、エアコンはオフでもよい」といわれることもありますが、ガラスが曇り視界を奪うことがあるので、除湿機能を効かせるため冬でもエアコンはオンにしておくことがおすすめです。










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