世界的にEV販売が急減速するなか、ハイブリッドとEVのいいとこどりといわれ、EVへのつなぎ役と期待されているPHEVだが、日本では現状、PHEVの販売比率はEVの1.6%よりも低い、1.16%しかない。そこで、改めてPHEVはどこが魅力なのか、今後伸びていくのか、解説していきたい。
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
【画像ギャラリー】PHEVってハイブリッドとEVのいいとこどりってホント? 写真でチェック!!!(5枚)画像ギャラリー相変わらずハイブリッドが市場を独占、本当にEV普及時代は来るのか?

日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した2024年に国内販売された軽/小型/普通乗用車の内、乗用車全体に占める販売比率の55%をハイブリッド(マイルド&ストロングハイブリッド)が占めた。つまり日本国内の場合、モーター駆動を備えた電動車はハイブリッドが圧倒的に多い。充電機能を備えたプラグインハイブリッド(PHEV)やEV(電気自動車)は売れ行きを大幅に下げてしまう。
電気自動車(EV)は5万9736台と販売比率は1.6%と2023年も8万8535台、2.22%から大きく下げた。充電機能を備えたプラグインハイブリッド(PHEV)についても4万3132台と1.16%となり、前年の5万2143台、1.31%から伸び悩んでいる。
世界的にEV販売の急減速が巻き起こっているが、「PHEVはEVへのつなぎ役」という認識が急速に広まっている。ちなみにアメリカでのEV販売比率は7.6%、PHEV販売比率は1.7%、EUではBEV販売比率が14.8%、PHEV販売比率が7.7%にすぎない。
●HEV(HV)=エンジンとモーター共に使用できる車外部充電ができずガソリン車に使用感が近い
●BEV(EV)=エンジンを積んでおらずバッテリーに蓄えた電気をモーターで走る
●PHEV=普段は電気のみ、必要な時だけエンジンを使って走れることができ外部充電が行えるのでBEVとHEVのいいとこどりといわれる
●FCEV=エンジンの代わりに充填した水素と空気中から取り込んだ酸素の化学反応で発電し、モーターで駆動
この背景には住宅事情もある。日本では総世帯数の約40%がマンションなどの集合住宅に住み、自宅に充電設備を設置しにくい。新築マンションでも充電設備は限られ、用意されていても来客用の駐車スペースと兼用だったりする。これでは来客が駐車していると充電器を使えない。
一戸建てなら充電設備を設置しやすいが、公共交通機関を使いにくい地域も多い。そうなると一戸建ての世帯は、複数の車両を所有することが多く、長距離移動用のファーストカーと買い物などに使うセカンドカーに分けられる。
この内、EVは、概して航続可能距離が短いために長距離移動は不得意だが、短距離移動用のセカンドカーなら不都合が生じにくい。そこでセカンドカーにピッタリな軽自動車サイズのEV、日産サクラが大ヒットした。2023年と2024年には、国内で新車として販売されたEVの40%前後を日産サクラが占めた。
それならPHEVはどうか。エンジンも搭載するから、通常はガソリンを給油して走り、設備のある場所で充電する融通も利かせられる。しかし売れ行きは、前述の通りEVを下まわる1.16%だ。
【画像ギャラリー】PHEVってハイブリッドとEVのいいとこどりってホント? 写真でチェック!!!(5枚)画像ギャラリー






コメント
コメントの使い方昨年世界1周旅行に行って来ました。
そこで感じたのは、
・駐車場の一番良い場所に充電設備を備えた駐車場がある事
・道路を駐車場として使用しているヨーロッパ各国では道路にもEV専用駐車場がある事。
などを感じました。
ヨーロッパ諸国都市部(パリ・フランクフルト・ロンドン等)に1戸建ては殆ど存在しないため日本と環境はあまり変わらないと思います。
やはりインフラ整備・各種優遇策の違いかと思います。
車体の値段が下がると、売れる可能性は高い。アメリカのロスの大火の時に、テスラの電気自動車で逃げられない人が多くいた。PHEVであれば、ガソリンで車で逃げて、別の場所で給電できるという使い方ができる。また、外部への電気の供給も可能たせから、価格が下がることが必要。
日本の自動車市場は、トヨタ独占(7割位)ですからね。そのトヨタがまともなevつくれてないから、当然日本全体で世界に遅れる。
十年前にわかってたことですよ。
何を今更
昔からのお客さんでアウトランダーPHEVに乗っている(生粋の三菱党で過去の車は全部三菱のSUV)人がいますが、2回目も3回目の車検でもトランクスペースに地面に触れた形跡もないド新品みたいな充電ケーブル積んでる人がいるなぁ。聞いたら外部充電はしないみたいです。面倒だとか・・・アウトランダーHV出したら売れる?
大量のCO2を出し希少金属を消費し、環境と児童労働に負荷を強いるBEVが、エコの観点では失格なら
PHEVはその1/10の負荷があるため、1/150以下と桁の違うHVにエコ目的で勝つには、桁違いの燃費性能を示さねばなりません。現実には不可能です
ですから性能的にはまだしも、総合的にはHVの完全上位互換とは言えず、むしろ環境負荷や必要な技術的には下位互換です
ただ、現日本では補助金出るので買いやすい