EVオワコンへ!? [PHEV]はEVへのつなぎ役になるのか? 日本の販売比率はたったの1.16%の現実 ハイブリッドじゃダメなのか???

EVオワコンへ!? [PHEV]はEVへのつなぎ役になるのか? 日本の販売比率はたったの1.16%の現実 ハイブリッドじゃダメなのか???

 世界的にEV販売が急減速するなか、ハイブリッドとEVのいいとこどりといわれ、EVへのつなぎ役と期待されているPHEVだが、日本では現状、PHEVの販売比率はEVの1.6%よりも低い、1.16%しかない。そこで、改めてPHEVはどこが魅力なのか、今後伸びていくのか、解説していきたい。

文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock

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相変わらずハイブリッドが市場を独占、本当にEV普及時代は来るのか?

クラウンスポーツPHEV。エンジン(A25A-FXS型)は実質共通ながらフロントモーターが大型化され、出力で約5割、トルクも約3割増強されているのがポイント。これによってシステム最高出力は306psと、HEVより約3割もパワフル
クラウンスポーツPHEV。エンジン(A25A-FXS型)は実質共通ながらフロントモーターが大型化され、出力で約5割、トルクも約3割増強されているのがポイント。これによってシステム最高出力は306psと、HEVより約3割もパワフル

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した2024年に国内販売された軽/小型/普通乗用車の内、乗用車全体に占める販売比率の55%をハイブリッド(マイルド&ストロングハイブリッド)が占めた。つまり日本国内の場合、モーター駆動を備えた電動車はハイブリッドが圧倒的に多い。充電機能を備えたプラグインハイブリッド(PHEV)やEV(電気自動車)は売れ行きを大幅に下げてしまう。

 電気自動車(EV)は5万9736台と販売比率は1.6%と2023年も8万8535台、2.22%から大きく下げた。充電機能を備えたプラグインハイブリッド(PHEV)についても4万3132台と1.16%となり、前年の5万2143台、1.31%から伸び悩んでいる。

 世界的にEV販売の急減速が巻き起こっているが、「PHEVはEVへのつなぎ役」という認識が急速に広まっている。ちなみにアメリカでのEV販売比率は7.6%、PHEV販売比率は1.7%、EUではBEV販売比率が14.8%、PHEV販売比率が7.7%にすぎない。

●HEV(HV)=エンジンとモーター共に使用できる車外部充電ができずガソリン車に使用感が近い 
●BEV(EV)=エンジンを積んでおらずバッテリーに蓄えた電気をモーターで走る
●PHEV=普段は電気のみ、必要な時だけエンジンを使って走れることができ外部充電が行えるのでBEVとHEVのいいとこどりといわれる
●FCEV=エンジンの代わりに充填した水素と空気中から取り込んだ酸素の化学反応で発電し、モーターで駆動

 この背景には住宅事情もある。日本では総世帯数の約40%がマンションなどの集合住宅に住み、自宅に充電設備を設置しにくい。新築マンションでも充電設備は限られ、用意されていても来客用の駐車スペースと兼用だったりする。これでは来客が駐車していると充電器を使えない。

 一戸建てなら充電設備を設置しやすいが、公共交通機関を使いにくい地域も多い。そうなると一戸建ての世帯は、複数の車両を所有することが多く、長距離移動用のファーストカーと買い物などに使うセカンドカーに分けられる。

BEVのアリア。2024年の累計販売台数は2612台。ちなみにリーフは5211台
BEVのアリア。2024年の累計販売台数は2612台。ちなみにリーフは5211台

 この内、EVは、概して航続可能距離が短いために長距離移動は不得意だが、短距離移動用のセカンドカーなら不都合が生じにくい。そこでセカンドカーにピッタリな軽自動車サイズのEV、日産サクラが大ヒットした。2023年と2024年には、国内で新車として販売されたEVの40%前後を日産サクラが占めた。

 それならPHEVはどうか。エンジンも搭載するから、通常はガソリンを給油して走り、設備のある場所で充電する融通も利かせられる。しかし売れ行きは、前述の通りEVを下まわる1.16%だ。

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