3月上旬に中国で発売されたトヨタbZ3Xは、EVでありながら225万円という衝撃価格が話題だ。しかしすごいのは値段だけじゃない。私たちが普段見慣れている部分に、すごい技術が初採用されたのだ。いったい何?
文:ベストカーWeb編集部/写真:広汽豊田、豊田合成
豊田合成が開発したエアコン吹き出し口がスゴイのよ!
いきなり正解をいうと、エアコンの吹き出し口がそれだ。この吹き出し口のことを専門用語ではレジスターという。
このレジスター、クルマによって丸形だったり長方形だったりするが、bZ3Xの場合は後者の長方形。その場合はたいてい、吹き出し口に風向きを変えるためのフィンが取り付けられているのだが、bZ3Xはその箇所がすごくシンプル。そもそもレジスターの厚みが恐ろしく薄いのだ。
レジスターはこれまでのクルマに当たり前にあっただけに、これが薄くなるだけで車内がものすごくすっきりする。一足先にレジスターを「消滅」させたテスラの車内がいい例だ。
話をbZ3Xに戻すと、この新型レジスターを開発したのは豊田合成。トヨタグループで自動車の内装部品などを手がける会社だが、同社によればbZ3X用の新型レジスターは、従来比で40%も厚みを薄くできているそうだ。
【画像ギャラリー】クラウンエステートみたいでカッコイイbZ3Xをじっくり見て!(10枚)画像ギャラリーダッシュボード内部は場所の取り合い!?
なんでこんなことをしたのか。前述した「見栄え」の要素も大きいのだが、もともとダッシュボード内部には、ECU(制御システム)やオーディオ、エアコン、操舵系といった要素がぎっしり詰まっている。それらの構成要素のボリュームがダッシュボードの形状も左右するほどなのだ。
そこで豊田合成は空調ダクトの形状やフィンの配置を工夫して、超薄型レジスターを開発したというわけ。厚みわずか19mmという超薄型レジスターの効果は絶大で、bZ3Xはダッシュボードそのものの厚みを薄くできた。結果、前方の見切り線位置が下がり、視界の拡大に成功したという。
この他にもbZ3Xは、エヌビディア製SoCで自動運転「トヨタパイロット」を実現したり、窓の開閉まで自然言語でできる音声認識機能も備えたりと見どころが多い。今のところ日本での市販はなさそうだが、そっくりこの仕組みを日本にも導入してくれないかなあ。
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