今、日本のハッチバック車は史上かつてないほど賑わっている。2018年6月にデビューしたカローラスポーツを筆頭に、2019年5月に発売、12月にはSKYACTIV-Xもラインナップに加わったマツダ3、そして2019年11月にマイナーチェンジを果たしたインプレッサスポーツと、2020年1月10日にマイナーチェンジするシビックハッチバック。
これらのCセグメントのハッチバックのなかでNo.1 はどのクルマなのか?
今回はカローラスポーツを軸に、各日本車のライバル車たち、そして欧州Cセグメントの本命、ゴルフ(現行ゴルフ7.5)と徹底比較。
はたして、Cセグメントのナンバー1はカローラスポーツになるのか? モータージャーナリストの岡本幸一郎氏が解説する。
文/岡本幸一郎
写真/ベストカー編集部 ベストカーWEB編集部
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一部改良でサスペンションが改良されたカローラスポーツ
2019年9月に発売されたセダンの「カローラ」とワゴンの「カローラツーリング」の評判も上々だが、実は同じタイミングで先発の「カローラスポーツ」も2018年6月の発売から1年半というトヨタとしては異例の短期間で一部改良が実施された。
件の改良は当初は予定されていなかったのだが、カローラと同ツーリングの開発時によいものができたので、カローラスポーツにも採用することになったという。
具体的にはドライバー目線の動きや旋回時の姿勢、ライントレース性などドライバーが感じるクルマの動きが解析された。改良版カローラスポーツは、この開発を基にEPS(電動パワステ)やサスペンションが改良されている。
カローラシリーズの3タイプは単にボディ形状が異なるだけでなく、それぞれキャラクターも差別化されていて、トヨタではカローラスポーツをカローラのフラッグシップと位置づけるとともに、本場の欧州をはじめ世界のCセグメント車と肩を並べるクルマとしての使命も与えている。
販売的には、オーリス時代の末期は、3ケタの下の方、数百台だったところ、2018年6月のカローラスポーツの発売以降は、月販2000~3000台ペースまで上昇した。
(参考までオーリスの年間販売台数=2017年 6630台、2016年 1万5452台、2015年 7995台、2014年 8838台、2013年 1万3531台)。ただし、2019年9月のカローラと同ツーリングの発売以降は激減している。
そんななか、周囲を見わたすと、2019年5月に新登場し、SKYACTIV‐Xも同年12月に追加されたマツダ3ファストバック(以下「マツダ3」)や、2016年の登場から3年が経過し、2019年11月にマイナーチェンジしたインプレッサスポーツ(以下「インプレッサ」)、2020年1月10日にマイナーチェンジするシビックハッチバック(以下「シビック」)など、似たような立ち位置にいるCセグのハッチバックの和製グローバルカーがいくつかある。
2019年11月に実施されたインプレッサのビックマイナーチェンジは、サスペンションを改良するなど乗り心地やハンドリング性能の向上に努めた。
また、ドライバーの運転負担を軽減するアイサイト・ツーリング・アシストを全車標準装備。対向車を検知し、ハイビームの勝者範囲をコントロールする「アダプティブドライビングビーム」が新たに採用された。
エクステリアも刷新。バンパー開口部やグリルを中心とした、新デザインのフロントフェイスやリアフォグランプ、アルミホイールを導入した。
インテリアでは、ダッシュボード中央に取り付けられたマルチファンクションディスプレイやシート、メーターのデザインに手を加えた。
機能面では日常使いに役立つ装備を追加。アクセスキー対応運転席シートポジションメモリー機能やドアミラーメモリー・オート格納機能、フロントビューモニター、リバース連動ミラーを新たに搭載する。
シビックハッチバック(セダン含む)は2020年1月10日には2年半ぶりにマイナーチェンジし、同月23日から発売開始する。
改良内容は洗練されたスポーツセダン、躍動感のあるスポーツハッチバックの基本コンセプトを引き継ぎ、フロントバンパー、アルミホイールの各デザイン変更、カラーラインアップの見直し、ハッチバックにトップサンルーフを追加、安全パッケージの「ホンダセンシング」の機能追加やETCの2.0化などを行う。
内装はハッチバック、セダン共通でモノトーン基調、ハッチバックはナビフェイスパネルのピアノブラック化、セダンは革コンビシート及びフロントパワーシート化する。
仕様、性能はハッチバックとセダン共通で、ホンダセンシングレス仕様廃止と歩行者事故低減ステアリング、先行車発進お知らせ機能を追加。
メーカーオプションでは、レザー+トップロードサンルーフをセットオプション化する。さらにマニュアル車のシフトフィールを向上、車体防音仕様強化で静粛性を改善。ボディカラーはハッチバックにソニックグレーパール、セダンは高彩度ブルーを追加。
価格は約9万円のアップでハッチバックはCVTが294万8000~321万2000円、6MTが294万8000円。
一方、このカテゴリーの「ベンチマーク」と呼ばれるVWゴルフは、すでに本国ではモデルチェンジしており、日本にも2020年6月頃に上陸する見込み。もうしばらくモデル末期の「ゴルフ7.5」と呼ばれる現行型が現役を務めることになる。
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