2026年春日本発売明言!! トヨタ「bZ Woodland」世界初公開とトヨタBEV戦略の「要(かなめ)」

2026年春日本発売明言!! トヨタ「bZ Woodland」世界初公開とトヨタBEV戦略の「要(かなめ)」

 2025年5月15日、トヨタは北米で「bZ Woodland」を世界初公開しました。トヨタによると、この「bZ Woodland」は北米で2026年初頭に発売され、この新型車の日本向けモデル「bZ4X Touring」についても、2026年春頃に日本国内で発売するとのこと(素の「bZ4X」は2025年後半に一部改良を実施予定とも発表)。おお、わりと盛りだくさん。今後のEV選びに影響する注目ポイントを詳しく紹介します。

文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車

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「bZ Woodland」は2026年初頭に日本でも発売

 トヨタは、北米市場向けに「bZ Woodland」を世界初公開しました。これは、同社のbZシリーズに新たに加わるバッテリーEV(BEV)で、「走り」と「広さ」にこだわった設計が特徴です。従来のBEVが持つ「静粛性」「低重心」に加え、オフロード性能や多用途性を追求し、北米の多様なライフスタイルに応えるべく開発されました。

「bZ Woodland」世界初公開。日本でも2026年春に発売と宣言。従来のbZ4Xの(全長を140mm伸ばした)ワゴンタイプ
「bZ Woodland」世界初公開。日本でも2026年春に発売と宣言。従来のbZ4Xの(全長を140mm伸ばした)ワゴンタイプ

「bZ Woodland」は、従来型のbZ4Xからボディを延長してSUVらしい力強いデザインと広い室内空間を実現。シートアレンジの柔軟性や積載力は、アウトドア好きやファミリーユーザーに最適です。また、モーター出力や駆動系にも工夫が凝らされ、舗装路はもちろん、雪道や未舗装路でも安定した走りを提供。ライバル車種となるであろう日産アリアやテスラModel Yと比べ、おそらくトヨタらしい使い勝手の高さや価格(たぶん安い)で優位性を見せてくることが予想されます。

 この「bZ Woodland」は、上述のとおり現行型bZ4Xの進化系派生モデルであり、bZ4の姉妹車であるスバルソルテラも先行して「トレイルシーカー」という車名で発表されています(どちらも生産はスバル矢島工場を予定)。派生元である現行型bZ4Xと比べると、開発参考値ながら、全長が140mm伸ばされ(全長4690→4830mm)、搭載されるバッテリー容量もアップ予定(71.4→74.7kWh)。なんというか、アメリカですげえ売れそうだな…という印象です。

 トヨタの開発陣は、「bZ Woodlandは単なる移動手段に留まらず、家族や仲間との時間を豊かにするパートナー」と語ります。この背景には、北米市場でのBEVのSUV人気や、アウトドア需要の高まりを受けた戦略があります。

 ユーザーにとっては、BEVながらも「どこへでも行ける安心感」と「使い勝手の良さ」が選ぶ理由となるでしょう。特に、アウトドアレジャーや長距離ドライブでの荷物積載量、後席の快適性など、日常から非日常まで幅広く活躍できる一台です。

アメリカ人、こういうの好きそうだよなあ…という雰囲気がつまった一台。スバルの矢島工場で生産予定だそう
アメリカ人、こういうの好きそうだよなあ…という雰囲気がつまった一台。スバルの矢島工場で生産予定だそう

 先日(5月8日)発表されたトヨタの決算資料によると、2024年4月~2025年3月のグローバルでのトヨタのBEV年間販売台数は14.5万台。いっぽう今後1年間(2025年4月~2026年3月)の見込みは31万台/年とのこと。トヨタ(+レクサス)は年間約1000万台を販売する予定ですから、(昨年から倍増とはいえ)BEV販売比率約3%は、かなり「辛め」の予想といえるでしょう。

 つまりトヨタ自身も「この1年では世界のBEVの実需はそれほど伸びないだろうな…」という見込みを含んだ数字でありますが、そうはいっても、この31万台の「柱」となるのがbZ4Xとなるはずです。

 現行型bZ4Xは、2022年5月の発売以来細かい進化を重ねており、直近で試乗した際(2025年2月)には「え、こんなに力強く走るようになったの??」と驚きました。欧州や北米でbZ4Xの売り上げが伸びていると聞いて、試しに乗ってみたら、なるほどこれなら売れるだろうなあ、と感じました(日本ではbZ4Xの2024年の年間累計販売台数は1012台でしたが……)。

 こういう着実な進化は「BEVならでは」といえますが、いっぽうで世の中に「派手なモデルチェンジはしてないけど、着々と進化している」という情報はあまり浸透していません(メディアの責任でもあるのでちょっと反省)。

 HEVや水素、PHEVの技術も磨き続けるトヨタは、BEVも着々と進歩させています。トヨタの場合、「BEV以外」が目立つので、相対的に地味に見えている気がします。近年、世の中全体がBEVの広がりに対し冷めた(覚めた?)目線となってから、この傾向がますます強まっているようにも思えます。

 激動の自動車産業のなか、マルチパスウェイ路線はより広がっていると言えますが、BEVが次世代ユニット候補の「王道」のひとつであることは間違いありません。

 トヨタのBEV戦略はレクサスが先行していますが、高級ブランドゆえ浸透には時間がかかるはずで、「先進技術の理解浸透と普及」という使命を考えると、トヨタブランドであるbZ4Xの担うべき役割は重い、と考えるべきでしょう。

 BEVの進化は、どういう方向へ、(実需も含めて)どれくらいの速度で進んでいるかを計るうえでも、トヨタの大黒柱BEVの動向はますます注目を集める存在になるだろうなと感じます。早く乗ってみたい。

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