ボルボのベストセラーSUV「XC60」がマイナーチェンジを受けた。ミラーサイクルエンジン採用でマイルドハイブリッドがより低燃費になったほか、高性能スナップドラゴンの採用でナビや音声応答がヌルヌル動くようになった。デビューから8年目、熟成されたSUVならコイツだろ!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:奥隅圭之
【画像ギャラリー】あきれるほど開くXC60のボンネットを見て!(25枚)画像ギャラリー小まめな改良を繰り返してきたXC60
ボルボといえば、おじさん世代にとってはオシャレなステーションワゴンの代名詞だったが、いまやその主力はSUV。なかでも2代目XC60は、2017年の日本発売以来、ずっとヒットを続けているボルボの屋台骨的SUVだ。
実はこのXC60、電動化という時代の風も受けて何度かの刷新を遂げてきた。2020年のB5エンジン(マイルドハイブリッド)の導入や2021年のディーゼルモデルの廃止、2022年のPHEVユニットの改良やGoogleの導入といった例がそれだ。
そして今回、XC60がデビュー8年目にして再び進化を遂げた。今度は前述したB5エンジンの燃焼系の変更。一般的なオットーサイクルに代わって、より燃費に優れるミラーサイクル型エンジンを搭載してきたのだ。
ちなみにミラーサイクルとは、吸気バルブの制御で吸い込む空気量をコントロールし、エンジンの膨張比(燃焼ガスが膨らむ比率)を圧縮比(混合気を圧縮する比率)よりも大きくする技術。燃焼ガスのエネルギーをより効率的に取り出せるから、燃費向上が期待できるわけだ。
なおXC60のB5エンジンは可変バルブタイミング機構を採用している。だからエンジン負荷やスロットル開度に併せて、燃焼サイクルを使い分けていると思われる。
ディーゼルの代わりになるマイルドハイブリッド
長い前置きになったが、そのミラーエンジンを搭載したXC60に試乗する機会を得た。グレードは「XC60 Ultra B5 AWD」という4輪駆動モデル。新型XC60にはこのグレードの下にPlus B5というベーシックグレード(FF)があり、上に「Ultra T6 AWD Plug-in hybrid」というPHEVモデルがあるから、中位の「推しグレード」ということになる。
駐車場に置かれたXC60はいつもの美しいプロポーションなのだが、なにか違う。よく見たらフロントグリルが新しくなっていた。斜めの縞模様を左右から重ね合わせたような意匠で、個人的には小紋柄の着物の襟元みたいだと思った。
他にも新型XC60 Ultra B5は新デザインの19インチホイールを装着、ルーフには巨大なパノラマ・ガラス・サンルーフをおごる。マニアックなポイントではテールレンズも内部のリフレクターの色が変わっているそうだ。分からなかった(笑)。
ミラーサイクルということで、本来ならばロングドライブに出かけて燃費をチェックしたいところだが、今回は時間の都合でそれが叶わなかった。残念そうなスタッフに話をうかがうと、やはり高速燃費の向上は顕著だとのこと。
もともとXC60のマイルドハイブリッドモデルは、ディスコンになってしまったディーゼルモデルの代替的性格も担っていたが、エンジンのミラーサイクル化によって燃費がいっそう改善され、足の長さという点ではディーゼルモデルに近い満足度が得られるようになったといえる。
ちなみにWLTC燃費は総合で12.8km/Lだが、ハイウェイモード値は15.3km/Lまで向上する。ゆったり巡航すればおそらくもう少し伸びるはず。車重1.9トンの中型SUVが、である。



























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