■クルマが好きな人、もっと好きになりたい人に
「クルマが好きでもっと運転がうまくなりたい」、「クルマの性能をもっと引き出せるようになりたい」といった、かなり「強め」な欲求から、「そもそも運転が上手いってどういうことか知りたい」、「彼氏がクルマ好きだから自分も上手く運転できるようになりたい」といった「それなり」な想いまで、若きクルマ好きが抱く欲求を、丸ごとかなえてくれるすばらしいイベントが実施されている。
その名も「大人の自動車教習所2.0」
【画像ギャラリー】大人の自動車教習所2.0 in富士スピードウェイ(2020.2.6)
プロドライバーを招いて、第一線級の新型車に、思う存分アクセルもブレーキも踏めるスペース(富士スピードウェイ第7パーキング)で、丸1日じっくり運転のノウハウを教わる機会が出現した。
本企画担当者も「ビジネス版」に実際に参加してみたが、これはクルマ好きには嬉しすぎるイベント。思わず「何か裏があるんじゃないですか?」と主催者に聞いてしまったほど( 「裏」はなかったです… 志が高いだけでした…すばらしい…)。
参加資格がある方はぜひとも一度、チェックしてみてほしい。
■「大赤字です。それでも予算が続くかぎり、やります!」
まずざっくりこのイベントの概要を紹介しよう。
【場所】富士スピードウェイ 第七駐車場
【日時】2020年 4月11日(土)8:15~16:00 (参加者抽選予定日:3月11日)ほか今年はあと5回開催)
【参加資格】満21歳~33歳の普通免許保持者(AT限定OK、車両不要)
【参加費】無料(!)
【車両】ポルシェ911カレラ、アバルト124スパイダー、VWゴルフGTI、スバルBRZ、スズキスイフトスポーツ(モンスターコンプリートステージ2)ほか
【プログラム内容】ショートトラックトレーニング(ウェットチャレンジ含む)、座学、高性能車試乗体験、ロングコーストレーニング
この内容を通常のドライビングスクールで実施しようとしたら、1人あたり参加費10万円程度はかかる。しかしこの「大人の自動車教習所2.0」は参加費無料。なぜこのようなイベントが成立するのか。
このイベントを主催する「HC GALLARY」佐野順平代表に、この内容でどうやって採算をとるんでしょうか、と聞いてみると、「採算はとれません。大赤字です。それでもやったほうがいいと思って、予算が続くかぎりやってみることにしました」とのこと。マジか。
どこか大企業(自動車メーカーなど)が協賛しているのかなと思ったが、「車両はすべて持ち出しで、タイヤだけ横浜ゴムさんに半分ご協力いただいてます」とのこと。
な、なぜ。
「自動車産業は日本の基幹産業です。自動車業界が元気になると、日本全体の景気がよくなるとけっこう本気で思っています。そのために何かできることがあるんじゃないか、と考えて、まずは若い人にクルマの楽しさをもっと知ってもらおうと、このイベントを立ち上げました。いつまで続くかわかりませんが、とりあえず今年6回やってみます。」
とのこと。
佐野代表は自社のインターン募集にもこのプログラムを取り入れており、希望する学生にこのイベントへ参加してもらって、どの学生をインターンとして採用するか決めたいと考えているとのこと。
「クルマを持っている人とそうでない人って、年収差で200万円くらいあります。これはもちろん【年収が高めだから車を持つ余裕がある】という話かもしれませんが、その逆もあると思っているんですね。つまり【クルマを買った時点では年収が低くても、クルマを持ったことがキッカケで年収が上がっていく】ということだって、たくさんあるんじゃないかと。
スマホでしか情報を得ていない人には、面白いスマホアプリは作れないと思っています。広い世界でいろんなところから情報を得た人が、その情報をスマホ開発に活かすから面白いアプリが作れるわけでしょう。
それと同じで、クルマを買えば行動範囲が広がります。ちょっと時間が出来たときに、クルマがあれば、美味しい蕎麦を食べに長野まで行こうか、って話にもなるし、海を見に湘南まで行こうって話になるかもしれない。ここでクルマがないと、家で時間をつぶそうかってことになりやすいでしょう。これはカーシェアリングやレンタカーでは起きない現象なんです。レンタカーやカーシェアリングだと、あらかじめ予定を立てていない場合、いきなり暇になったからといって、気軽に使いにくいでしょう。
【自分のクルマをもっている】という属性って、「行動」のキッカケになるんです。
そういうクルマが持つ、生活にポジティブな影響を、もっと広めていきたいんです。」
普段はマーケティング・コンサルティング会社の経営者として各企業へアドバイスする佐野代表だが、クルマのことになると、このように熱い。しかもいちいちもっともだと、頚椎が捻挫するくらい頷いてしまった。
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