乗った後の車内の冷え方が違う!! できれば全窓型が最強!? サンシェードの効果って一体ナニ!?

乗った後の車内の冷え方が違う!! できれば全窓型が最強!? サンシェードの効果って一体ナニ!?

 日差しの強くなるこの時期に、クルマのフロントウィンドウへサンシェードを付ける人は多いだろう。汎用品も多いが、最近では車種専用のサンシェードが登場し、フロントガラスだけでなくドアガラスやリアガラスまで、シェードをつけられるようになっているぞ。実際にサンシェードをかけると、車内温度の上昇は変わってくるのか。ミニバンを青空駐車している筆者が試してみた。

文:佐々木 亘/画像:Adobe Stock(トビラ写真=abu@Adobe Stock)

車内温度上昇の抑制にサンシェードはほとんど意味がない!?

日々猛暑が続くがサンシェードありでもなしでもサウナ状態!?(Flower images@Adobe Stock)
日々猛暑が続くがサンシェードありでもなしでもサウナ状態!?(Flower images@Adobe Stock)

 直射日光を浴び続けたクルマの中は、まさにサウナ状態にとなっているわけだが、サンシェードを使うとサウナ状態が収まるのかというと、答えは「NO」だ。

 実際に最高気温34度でカンカン照りの日の午前11時から午後2時の間、車内温度をエアコンで26度に調整してからエンジンを切り、3時間クルマを放置してみた。これで、サンシェード無しの状態とサンシェードをフロントガラスだけ付けた状態の温度変化を検証してみた。

 結果を先に言うと、どちらの車内温度も約60度近くまで上がった。サンシェードを付けているからと言って、車内温度は下がらない。ちなみに、フロントシェードに加えてドアガラス全面にシェードをかけても結果は同じだった。直射日光で温められたシェードが車内にある以上、車内の温度上昇は避ける事ができない。

サンシェードを付けておくと乗った後の快適さが違いすぎる!!

じつは車内温度の抑制より冷えの早さの方で効果をだしてくるようだ(Артем Токарев@Adobe Stock)
じつは車内温度の抑制より冷えの早さの方で効果をだしてくるようだ(Артем Токарев@Adobe Stock)

 車内温度の抑制にはほとんど意味の無かったサンシェードだが、乗車後に大きな効果を発揮することも、今回の実験で分かった。

 3時間放置した後のクルマでリモートエアコンを20分作動させ、室内の温度変化を見ていったのだ。するとサンシェード無しの時には、20分後でも車内温度は30℃以下にならなかったのに対し、全ての窓をサンシェードで覆った時には15分で設定温度の25℃まで車内温度が下がった。実際にクルマに乗り込むと、明らかにサンシェードを付けている状態の方が、車内の冷えは早いのだ。

 さらにシェードを外して走行を始めた後にも、大きな違いを感じられた。サンシェード無しの時には、ダッシュボードやステアリング、シートなどが大きな熱を持っており、エアコンの冷気をかき消すほどの熱気を車内に放出し続けている。座っているシートも熱いため、乗っている筆者もしばらく汗だくだった。

 対してサンシェードを全ての窓に付けていた時には、シートやステアリングはほとんど熱を帯びることが無く快適。ダッシュボードだけは、走行中にも日差しが当たるためしばらくすると熱を帯びてきたが、それでもサンシェードを無しの状態よりは熱くなく、放熱が非常に少ない状態で走行することが出来た。

車種専用品を全窓に付けるのがおすすめ

 暑い日だからこそ車内はすぐ冷えてほしい。だからこそサンシェードを有効活用しよう(tarou230@Adobe Stock)
 暑い日だからこそ車内はすぐ冷えてほしい。だからこそサンシェードを有効活用しよう(tarou230@Adobe Stock)

 サンシェードの力は、クルマに乗ってから(冷房を付けてから)の方が分かりやすい。特に黒いダッシュボードや黒いシートのクルマでは、より大きな効果を実感できるはず。ダッシュボードやシートの表面温度が変わるだけで、エアコンの効きが大きく違うぞ。

 効果を感じるためには、日光をしっかりと遮断する必要があるため、サンシェードは汎用品よりも車種専用品が良い。最近の専用品は、ドアガラスの形状にピッタリ合うものが多く、取り付けも簡単だ。

 乗り降りをする際に5~8カ所の窓を塞ぐのはなかなかの手間だが、長い間直射日光にさらされることが確定的なら、しっかりとサンシェードを装着する方が、その後のドライブも快適になる。

 今年の夏も暑くなりそうだ。サンシェードの効果をしっかりと認識して効果的に使い、熱い夏を乗り切ってほしい。

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