日産の大黒柱「セレナ」そろそろ商品改良なので「ここを改良してほしい」と勝手に提案したい

日産の大黒柱「セレナ」そろそろ商品改良なので「ここを改良してほしい」と勝手に提案したい

 国内において人気の高いカテゴリであるミドルクラスミニバン。トヨタ「ノア」/「ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」など、強力なライバルたちがひしめくなか、2024年に国内登録台数ナンバーワンとなったのは日産の「セレナ」だった。

 現行型(C28型)は2022年11月に登場し、2024年10月には待望のe-POWERの4WD仕様「e-4ORCE」も追加。国内販売が伸び悩む日産ラインアップのなかでも、セレナは「ノート」とともに堅調な販売を維持し続けている。

 そんなセレナだが、デビューから約3年、そろそろマイナーチェンジや一部改良といった動きがあってもいいころ。好調な販売を維持するためにも、ライバルの一歩先をいくモデルを目指してほしいところだが、はたしてどうなるか。国内日産を支えるセレナの改良モデルの概要を予想してみよう。

文:吉川賢一/写真:NISSAN

【画像ギャラリー】2024年のミドルクラスミニバン国内登録台数ナンバーワン!! ノートとともに堅調な販売を維持し続けている日産「セレナ」(21枚)画像ギャラリー

最新の日産車フェイスは、セレナにこそ似合うはず!!

 広くて快適な室内空間やe-POWERによる爽快な加速、高い安全性能、先進運転支援技術「プロパイロット」などが魅力の現行モデルの「セレナ」。2024年は約8万台を売り上げ、登録車全体の7位にランクイン。2025年もその人気は衰えず、1月から6月の累計登録台数は3万8921台、月平均で約6500台という堅調な販売を維持している。

 そんなセレナだが、現行モデル登場から約3年、そろそろマイナーチェンジもしくは一部改良などの刷新があってもいいころ。まもなく登場すると思われる改良型でまず期待したいのは、フロントフェイスの刷新だ。日産の新世代デザイン「デジタルVモーション」を採用した先進的なフロントフェイスが多くのユーザーから好評を得てきた現行セレナだが、改良型では、新型「リーフ」やティザー公開された新型「エルグランド」などの最新の日産車に採用された日産の新たなデザイン傾向を取り入れてほしい。

 新型リーフは、左右のヘッドライトをつなぐLEDシグネチャーランプや、ライト内部にドット模様を取り入れた意匠が特徴的であり、これらの要素を取り込めば、セレナの顔つきはより存在感を増すはず。ミニバンにとってフロントマスクの印象は非常に重要。日産としてはセレナの販売は何としても維持したいはずであり、登場から3年とまだまだ鮮度が落ち切っていない中ではあるが、しっかりと対策をしてほしいと思う。

セレナの顔の特徴でもあるデジタルVモーションは、先進的イメージが強いと好評。ただ、今後の改良では、最新の日産車デザインに刷新してほしい!!
セレナの顔の特徴でもあるデジタルVモーションは、先進的イメージが強いと好評。ただ、今後の改良では、最新の日産車デザインに刷新してほしい!!
2025年6月に発表された新型リーフ。ブーメラン型のヘッドライトと左右のヘッドライトを繋いだLEDシグネチャーライトが特徴。バッテリーEVのためフロントグリルはスマートな形状となっている
2025年6月に発表された新型リーフ。ブーメラン型のヘッドライトと左右のヘッドライトを繋いだLEDシグネチャーライトが特徴。バッテリーEVのためフロントグリルはスマートな形状となっている
新型エルグランドのフロント周りのティザー画像。左右のヘッドライトを繋いだLEDシグネチャーライトや、ドット模様のヘッドライト、フロントグリルなどは、新型セレナにも採用される可能性が考えられる
新型エルグランドのフロント周りのティザー画像。左右のヘッドライトを繋いだLEDシグネチャーライトや、ドット模様のヘッドライト、フロントグリルなどは、新型セレナにも採用される可能性が考えられる

新型リーフの調光式パノラミックガラスルーフのほか、第3世代e-POWERへの切り替えも!!

 また、装備面の充実も必須だ。これまでもセレナには、アラウンドビューモニターやプロパイロット2.0、e-4ORCEといった、かつては高級車向けだった先進技術が惜しみなく搭載されてきたが、今後の改良型セレナで搭載を期待したいのが、新型リーフに搭載予定とされる「調光パノラミックガラスルーフ」だ。

 調光パノラミックガラスルーフは、フルシェード、フロントシェード、リアシェード、シェードレス(透明)の4種類の調光モードがあるほか、従来のサンルーフのように、光を遮断するシェードが不要となるため室内空間の拡大が可能で(新型リーフではヘッドルームを20mmも拡大できた)、さらには赤外線(IR)反射技術と低放射率コーティングの採用によって、夏場の車内温度上昇を抑制し、エアコンの電力消費軽減が期待できるなど、複数のメリットがある。

 サンルーフは、日産車では、エルグランドやアリア、スカイラインといった上級モデルには設定があるものの、現行セレナにはサンルーフ類の設定がない。もし導入されれば、明るく開放感ある室内空間が実現し、セレナのミドルクラスミニバンとしての魅力を大きく引き上げてくれる装備となるに違いない。

 e-POWERも第3世代への刷新を期待したい。初代e-POWER比で燃費が20%改善し、コストも20%削減、高速走行時の燃費も、第2世代e-POWER比で15%改善されるという第3世代は、e-POWERの弱点を大きく解消してくれるものであり、できる限り早く搭載をしてほしいところ。海外ではすでに欧州のキャッシュカイに搭載することが発表されているが、国内のノートとこのセレナも、できるかぎり早く第3世代に切り替えてほしいと思う。

 そしてもうひとつ、他社のミニバンにはまだない、レベル3相当の「自動運転技術」の搭載も期待したい。日産は現行セレナをベースに、「自動運転レベル4」の技術であるLiDAR技術を活用した「ドライバーレス自動運転」の検証実験を行っている。

 現行セレナには、最上級グレードに、一定の条件下で手放し運転が可能な「プロパイロット2.0」が搭載されているが、プロパイロット2.0は自動運転レベルでいえば「2」の技術だ。もし今後の改良で、完全なるレベル3はまだ難しいにしても、「高速度路上の渋滞時のみアイズオフも可能」などの条件付きでレベル3相当の高度運転支援機能が搭載されれば、他社のミニバンに対する、大きなアドバンテージとなる。

日産が検証している、最新のLiDAR技術を使った「ドライバーレス自動運転」。「自動運転レベル4」によるモビリティサービスの実現を目指している
日産が検証している、最新のLiDAR技術を使った「ドライバーレス自動運転」。「自動運転レベル4」によるモビリティサービスの実現を目指している
2枚の大型液晶ディスプレイをレイアウトした現行セレナの運転席周り。シフトレバーがなく、シフトチェンジはスイッチで行う
2枚の大型液晶ディスプレイをレイアウトした現行セレナの運転席周り。シフトレバーがなく、シフトチェンジはスイッチで行う
e-POWER車には、3列7人乗りと3列8人乗りの2パターンが用意されているが、ガソリン車は8名乗りのみ、最上級のLUXIONは7人乗りのみとなる
e-POWER車には、3列7人乗りと3列8人乗りの2パターンが用意されているが、ガソリン車は8名乗りのみ、最上級のLUXIONは7人乗りのみとなる

次ページは : 「買い得感」も重要!!

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…