【超個性派絶版車の足跡を辿る】 無国籍感ただよう異端児グルマ 8選

【超個性派絶版車の足跡を辿る】 無国籍感ただよう異端児グルマ 8選

 1980年代の後半、よーく見てみると何かが足りない気がする、ツッコミどころのある「ナゾ」なクルマたちがあった。

 また1990年代後期から2000年代はじめには、海外メーカーとの提携強化の結果として、はたまた貿易摩擦解消の手段としていくつもの「珍車」が生まれた。

 後者に関しては言うまでもなく、前者についても当時の経済の有り様に振り回された末の「異端児」だった気がしてならない(それで商業的に成功したならまだ救いようもあるのだが)。

 そんな無国籍感漂う異端児たち8台をご紹介。

【画像ギャラリー】いまなお根強い人気のクルマもあり!! 愛すべき異端児たちをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年1月のものです
文・写真:ベストカー編集部/車両解説:永田恵一
初出:『ベストカー』 2020年2月26日号


■スズキ X-90(1995年)

 初代エスクードをベースに2人乗りかつTバールーフとした遊びクルマ。リアシートありなら運命は変わったかも。

じつはラダーフレームを採用し高いオフロード性能を発揮した本格派SUV。生産台数は1,300台余りだった。企画担当、どうしても「Dr.スランプ」に出てきそうな気がしてしょうがない

■いすゞ ミュー ハードカバー(1989年)

 当時のいすゞのピックアップトラックをスペシャルティにしたモデル。リアシートなしまで踏襲しなくても……。

車名の「MU」は「mysterious utility(ミステリアス・ユーティリティ)」。皆までは言わないが、「確かに!」と、ちょっと意地悪な感想が浮かぶ

■三菱 ミラージュ XYVYX(ザイビクス・1987年)

 乗用車なのにパネルバン? 3代目ミラージュの3ドアのリアサイドウィンドウを鉄板とした挙句2人乗りというモデル。用途はいったい?

3ドアハッチバックのリア窓を鉄板で埋めて2シーター化。本来ならリアシートがあった後部スペースは、「オーナーが自由に仕立てる空間」というコンセプトのもと「クリエイティブスペース」と名付けられ、オプションが数多く用意された。

■ホンダ アコードエアロデッキ(1985年)

 3代目アコードにあった当時のワンダーシビックを大きくしたような3ドアハッチバック。リアドアがあったらよかったかも。

3代目アコードのリア部分を200mm切り詰めた、いわゆる「シューティングブレーク」タイプの1台。ルーフ後部から開くガルウイング型のテールゲートを採用

■トヨタ キャバリエ(1996年)

 日米貿易摩擦緩和を目的として販売されたシボレー・キャバリエのトヨタ版。トヨタが万全を期したのにまったく売れなかった。

1996年から2000年にかけて生産された。んが、そもそもこのセグメントにはトヨタ車でさえラインアップが飽和状態となっており、そんな状況で生粋のトヨタ車と比べてどっち買います? と聞かれれば結果は自ずと明らかだった

■トヨタ ヴォルツ(2002年)

 当時のカローラフィールダーに近いミドルクロスオーバーで、米国NUMMI製。コンセプトは面白かったのだがデザインがチト大味。

トヨタとGMが共同開発したモデル。NUMMIは両者の合弁会社として生産を担当した。GMでは「ポンティアック・ヴァイブ」として、北米トヨタでは「マトリックス」として販売され、どちらも2代目が出された。ヴォルツ自体は初代で生産を終了している

■GM シボレー・クルーズ(2001年)

 軽を拡大した初代スイフトをベースに、スタイルを変えて装備も豪華にしたモデル。スズキ系ディーラーほか、むろんGM系でも販売。

下の「MW」とともにスズキが扱ったシボレーブランドのクルマのうちの1台。2000年2008年に2代目が誕生するも、名前以外は初代とスズキともまったく関係なし

次ページは : ■GM シボレー・MW(2000年)

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