ライバルを迎え撃つため、大幅なグレード強化を図った新型エクストレイル。中でも注目は、オンロード指向を強めたスポーツモデル「NISMO」だろう。一体どんなクルマに仕上がったのか。テストコースでの試乗も交え、その全貌を紹介しよう!
文:河村 大/写真:奥隅圭之、日産自動車
新型RAV4+ハリアーをこの1台で迎撃!
トヨタRAV4、マツダCX-5と、ミドルクラスSUVの次期モデルの発表が相次ぐ中、日産も大きな動きを見せた。発売3年を経たエクストレイルへのテコ入れ、それも、新たに3つのグレード追加を伴うマイナーチェンジだ。
ついに「NISMO(ニスモ)」バッジがエクストレイルに与えられ、北米専用ブランド「ロッククリーク(ROCK CREEK)」も国内に初展開、そしてAUTECH(オーテック)にも、よりスポーティな「スポーツスペック」が追加されたのだ。
NISMOはいわずと知れたピュアスポーツを志向する日産のモータースポーツブランド。これにアウトドア指向のロッククリークが追加されたことで、これまで無印とプレミアム系(オーテック)の2本立てだったエクストレイルに、スポーツとアウトドアというキーワードが加わった。
ここでピンと来たのが新型RAV4のスタイル展開だ。ノーマル仕様にアドベンチャー、GR SPORTという3つのスタイルが発表されていたが、これにプラットフォームを共有するプレミアム系のハリアーを加えた4種の味付けを、日産はエクストレイル1台で実現したワケだ。
ほどよい価格も魅力の「ロッククリーク」
まずはロッククリーク。これは北米日産のローグに用意されていたグレードを日本向けにアレンジしたもの。北米ではスバルの「ウィルダネス」シリーズなど、アウトドア向けにカスタマイズされたモデルに一定の需要があるが、日産のロッククリークもこれと同じテイストだ。
ワシントンD.C.の国立公園の名が冠されたこのグレードは、ちょっとお高くとまっていたエクストレイルの外観をタフ&ワイルドな姿にイメチェンしてくれている。
ブラックアウトされたフロントバンパーや大きく目立つ3連スロットグリル、要所に配されたラバレッド(溶岩の赤)アクセントが、専用色のキャニオンベージュ/ブラックの2トーンによくマッチしている。Xグレードがベースなので3列シートが選べるほか、価格もほどよく抑えられているところもいい。
もちろん、無印のS、X、Gグレードも変更を受けている。シグネチャーランプが常時点灯式になったほか、ターンランプも全車LED化。ヘッドランプやグリルも横方向への連続性を意識した造形となり、スッキリシャープで骨太な印象となった。
上位グレードはボディ下回りやフェンダーのブラックパーツもツヤ有りとなり、高級感が増している。内装もインパネやドアトリムをすべてブラックアウト、ナッパレザー仕様も色使いが落ち着いたトーンとなり、全体的に大人の雰囲気になった。
先進のコネクテッド機能も搭載された。グーグルマップやグーグルアシスタントがプリインストールされ、話かけるだけでテキストのやりとりや目的地検索、音楽アプリの操作ができるようになったほか、カメラ機能も強化され、車外8つのポイントからクルマを見下ろす3Dビューやボンネット下の地形を透視するモードも加わった。これは私が専門とする不整地走行でも大いに役立つに違いない。
























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