新井大輝選手の欧州武者修行エピソード7! 漢気で乗り越えた初日のLeg1は、一歩間違えればリタイヤな難関ステージだったけどなんとLeg2はさらに白熱の展開が待っていた! 手に汗握る展開をご覧あれ!
文/写真:新井大輝
【画像ギャラリー】日本人ドライバーとチェコ地元勢の意地のぶつかり合い!? 新井大輝選手が魅せてくれた走りと選手同士の絆にグッとくる……!(8枚)画像ギャラリー病院送りも覚悟!? 悪魔のステージ登場!
さて初日は最新のRally2勢に軒並みやられて意気消沈していましたが、これが10年以上の性能差だと割り切って最終日のLeg2はバルムラリー伝統の“ビンデューラ”という最難関のターマックが待ち構えているのでLeg1以上に気を引き締めて臨みました。名前からして恐ろしい感じが伝わってくるかと思いますが、ここのSSは毎年使用されていてバルムラリーと言えばいえばここ!! みたいなステージです。
現地では、悪魔のステージと呼ばれるほど恐れられているステージで、今まで何台ものマシンが木にぶつかりドライバーコドライバーに加えて、観客までも病院送りにしてきたそうです。特に雨が降ると路面は氷のように滑りやすく、通常のブレーキングでは一瞬で道路から転がり落ちるので、更に慎重になる必要があります。
加えて、古い舗装路は壊れて紙やすりで研いだかのようなザラザラした路面で、パンクをしないように走ることすら難しい路面です。今回はダンロップ+エンケイで僕が1番信頼ししているパッケージだったこともあり、パンクはしませんでしたが、あまりの衝撃でフロントガラスにヒビが入ってしまいました。
ステージを追うごとにヒビが進んでいき、最後は視界に少し入ってくるほど成長していましたが、なんとか堪えることができました。
ゼッタイに負けられない戦いがそこにはあった!?
この日はセッティングを前日よりもかなり柔らかくして着々と順位を挽回していき、フィーリングも悪くなく、この時点でR5勢の中では15秒差の2番手につけており、白熱したバトルが繰り広げられていました。
一定のペースで安定してミスなく走行することを目標にしていたので、そこまで鼻息荒くは走っていませんでしたが、ステージを追うごとに他の地元R5勢が日本人に負けてたまるか! というばかりにペースを上げてきて、気づいたら20km走って1秒差とかコンマ3秒差と、本気で向かってきてくれているのが、ビシビシ伝わってきて嬉しかったです。
チェコの人にとってもバルムというラリーは、チェコのラリー選手権の中でも特別で、彼らの誇りと言っても過言ではなく、他の国の選手には絶対に負けたくないそうです。笑
僕が日本で負けたくないのと一緒ですね。
アツい戦いをすればノーサイドよ!
僕も負けじとプレッシャーをかけていたら、同じシュコダを駆るR5トップの選手がスピンをして1位との差を一気に1.5秒差まで詰めることに成功しました。その次のステージで3秒突き放し、1.5秒差リードで1位に躍り出ることに成功。
最後から2番目のステージで1秒返されてその差を0.5秒差まで詰められましたが、初日は離されていた選手と同じR5なら戦えるようになっているのは嬉しかったです。
一進一退の攻防が続く中、最後に残すはパワーステージ。
残り0.5秒差というかなりアツい展開に僕と地元選手も最後のバトルの前に握手を交わし、いざスタートしようとした15秒前に無念の赤旗キャンセル……
最終ステージということもあり、気合いが入っている組は多かったですが、他のクルーが最後の最後で大クラッシュをして救急車が急いで入っていきました。











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