トヨタが自動運転レベル4対応の17人乗り次世代モビリティ「e-Palette」を2900万円で発売! シャトルバスやキッチンカーなど設計が自由に変えられる!

トヨタが自動運転レベル4対応の17人乗り次世代モビリティ「e-Palette」を2900万円で発売! シャトルバスやキッチンカーなど設計が自由に変えられる!

 トヨタは2025年9月15日、東京オリンピック・パラリンピック2020の実証実験が行われたことで知られるマルチ用途EV「e-Palette(イー・パレット)」を正式発売しました。低床設計や広い室内、移動店舗/シャトルバスなど多彩な使い方が可能で、環境補助金も対象。都市生活者や自治体、企業にとって“新しい移動体験”をあなたの街にもたらす一台です。

文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車

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トヨタe-Paletteとは何か?

9月15日から発売開始されたe-Palette
9月15日から発売開始されたe-Palette

 トヨタは、9月15日より“モビリティサービスに活用できるバッテリーEV”「e-Palette」の販売を開始しました。「移動手段を超えたモビリティサービス」をコンセプトに、シャトルバス、移動型店舗、サービス空間など、用途を自由に変えられる設計が特徴です。これにより「一台のクルマがいろんな役割を果たす」未来を具現化しようとしています。

 まずは、2025年10月3日から開業する「TOYOTA ARENA TOKYO」(東京都江東区青海・MEGAWEB跡地)およびその周辺エリア、「Toyota Woven City」から導入し、輸送サービスでの活用や物品等を販売する移動型店舗など、さまざまな取り組みを進めていき、また一部地域では販売店や自治体、自動運転パートナーとも連携した自動運転実証などを進め、2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指しています。

多様な使い方が可能な設計

低床設計、大開口スライドドア、電動スロープを備える
低床設計、大開口スライドドア、電動スロープを備える

 e-Paletteは多様なニーズに応える設計がなされています。特に注目は自動運転レベル4に対応した設計になっていることです。

 今回発売したe-Paletteは運転の自動化レベル2相当の自動運転システムに対応可能な車両。2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指すべく、継続して機能実装。

 トヨタの車両制御インターフェース(VCI:Vehicle Control Interface)に対応して開発されたさまざまな開発会社による自動運転システム(ADK:Automated Driving Kitを指し、自動運転制御ハードウェアおよびソフトウェア、カメラやLiDARといったセンサーなどを含む)を搭載することで自動運転に対応することが可能となります。

 自動運転システムと車両制御システムの接続を標準化するとともに、システムの堅牢性や信頼性を高めるための冗長システムも搭載。自動運転システムとセットで安全、安心な走行の実現に寄与し、トヨタの自動運転を実現。スムーズな自動運転オペレーションを助ける運行管理システムとの連携も可能となります。

 e-Paletteは以下次のような特長を持っています。

・例えば朝はシャトルバス、日中は充電しながらのキッチンカー、夜はスポーツ観戦など、さまざまな機器を搭載することで一日の中で異なる用途での活用も可能となっています。

歩道高さ15cmであれば車いすの方が自力で乗降できる設計
歩道高さ15cmであれば車いすの方が自力で乗降できる設計



・広い室内空間と大型ウインドウガラス
広い車室空間に架装を行なえば多様な用途に対応することができます。例えば遠隔通信や音響機材などを活用して移動しながら臨場感とともにスポーツ観戦を楽しんだり、没入体験とともに観光を楽しむことができるエンターテインメント車両としての活用も可能です。

・アクセシビリティ重視の仕様
低床設計、大開口スライドドア、電動スロープを備え、歩道高さ15cmであれば車いすの方が自力で乗降できる設計。車いす用ワンタッチ固定などのオプションもあり、多様な利用者に配慮されています。

・安全・自動運転対応への布石
現在の販売モデルは自動化レベル2相当の運転支援機能を搭載可能な仕様。2027年度にはレベル4準拠の自動運転システムの市場導入を目指すと発表されています。これには、トヨタの車両制御インターフェース(VCI)対応、自動運転キット(ADK)の採用、冗長システムなど信頼性を高める設計も含まれます。

・先進装備・利便性
ステアバイワイヤ(ステアリング操作量を軽減する方式)、異形ステアリング、車内外のデジタルサイネージ、安心降車アシストなど。充電/給電機能も備えており、災害時の非常電源としての利用も想定されています。

異形ステアアリングを備えたコクピット
異形ステアアリングを備えたコクピット


■e-Palette主要諸元
ボディサイズ:全長4950×全幅2080×全高2650mm
室内寸法:長2865mm×幅1780mm×高2135mm
車両重量:約2950kg
定員:17人(座席4+立席12+運転手)
フロア高:標準時370mm、オプションの車高調整使用時270mm
最高速度:80 km/h
航続距離:約250 km(WLTCモード相当)
バッテリー容量:72.82 kWh
モーター最高出力:150kW
モーター最大トルク:266Nm
充電時間:急速90kW/200A=40分程度(満充電量の約80%程度)、普通充電(6kW/30A)=12時間程度
価格:2900万円から
補助金:環境省「商用車等の電動化促進事業」の対象。補助額 1583万5000円

どんな用途に向いているか?

給電機能があるのでキャンプや災害時に使える
給電機能があるのでキャンプや災害時に使える

 このe-Paletteが特にフィットしそうな利用シーンを整理してみます。

・自治体/公共交通機関
 高齢者・障碍者の移動支援や地域シャトルバスなど、乗降しやすい設計と大人数対応が活きます。
・商業施設/イベント運営
 移動型店舗(ポップアップ)、エンタメ車両としての活用。大きなウィンドウで広告性も高く、サイネージを使って情報発信できる点も強み。
・企業の新モビリティサービス
 オンデマンド交通、ラストワンマイル輸送、映像イベント車両など。用途の切り替えがしやすいため、コスト効率を高めやすい。
・災害対策用途
 給電機能を備えており、停電時の電源としても使える可能性があります。

 価格は2900万円~。環境省による「商用車等の電動化促進事業」の対象となるため、1583万5000円の補助金が受けられますので(2025年9月15日時点)、実質1316万5000円~購入することができます。

 発売当初の自動化レベル2相当の自動運転システムとなっていますが、2027年度にはレベル4(一定の条件下で完全な自動運転が可能な状態で運転者の介入が不要)の自動運転が可能ということで、2年後が待ち遠しいですね。

充電時間は急速90kW/200A=40分程度(満充電量の約80%程度)、普通充電(6kW/30A)は12時間程度
充電時間は急速90kW/200A=40分程度(満充電量の約80%程度)、普通充電(6kW/30A)は12時間程度

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