2025年11月4日、ラスベガスで開幕した世界最大級のカスタムカーイベント「SEMAショー」で、トヨタUSAは世界中のランクルファンの心を掴むであろう「ターボトレイルクルーザー」を公開した。
1980年代の名車、ランドクルーザーFJ60のクラシカルなボディに、現行型タンドラのi-FORCE3.4L、V6ツインターボを搭載。懐かしさと最新技術を両立した「令和のレストモッド」として、注目を集めている。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタUSA
【画像ギャラリー】伝説のFJ60が最新ツインターボで蘇った! 「ターボトレイルクルーザー」が発売される可能性(5枚)画像ギャラリーFJ60の魂を、最新V6ツインターボで再構築
ターボトレイルクルーザーのベースは1985年式ランドクルーザーFJ60。丸目2灯の無骨なデザインと、世界中で信頼を集めた直列6気筒エンジンで知られる名車だ。
今回のFJ60には最新のトヨタエンジン、i-FORCE 3.4L、V6ツインターボが搭載され、最高出力389ps、最大トルク66.3kgmを発生。
なんと当時の直6エンジンのほぼ2倍のパワーを誇り、静粛性や燃費効率も向上し、ツインターボならではの瞬発力と滑らかなトルクカーブを実現した。
すべての部品はFJ60の構造を損なわないよう設計されており「オリジナルの骨格に最新技術を融合させる」というトヨタ流の哲学が息づいている。
あくまで「純正風」にこだわるトヨタ流の美学
プロジェクトを率いたのは、トヨタのアメリカ法人(トヨタ・モーター・ノース・アメリカ)内にあるトヨタ・モータースポーツ・ガレージのマーティ・シュワーター氏。同氏は「これはトヨタのDNAを受け継いだホットロッドのアプローチです」と語る。
フレームやボディの改造を一切行わず、工場出荷時の外観を完全に再現。1.5インチのリフトアップと35インチタイヤで存在感を強めつつ、1986年式のシルバー147というPPG塗装がクラシカルな輝きを放つ。内装ではJBL製ステレオが控えめに追加され、ヴィンテージとモダンが調和した空間を実現。
ターボトレイルクルーザーは単なるショーカーではない。トヨタが未来のクルマ作りをどう捉えるかを示す象徴的なモデルだ。
マイク・トリップ副社長は「クルマの個性を守りながら、テクノロジーが体験を高める」と語り、ガソリン車が依然として重要であることを強調。これはトヨタのマルチパスウェイ戦略――エンジン・ハイブリッド・PHEV・BEV・水素など多様な選択肢を尊重する姿勢――を体現している。
まるでタイムスリップしたようなターボトレイルクルーザー。外観は往年のFJそのものだが、ボンネット下には最新のツインターボV6。ランクル60が喉から手が出るほど欲しい人にとっては夢のような話だ。
まさに「もし1980年代にこの技術があったら……」と想像させるほど自然な仕上がりで、クラシックと現代が完璧に溶け合っている。レストモッド(レストアし現代の技術でモデファイ)の一種といえるが、このターボトレイルクルーザーは、オリジナルに近い。またJBLオーディオの高音質とアナログメーターの融合は、まさに時代を超えた仕立てになっている。









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