GRスペシャリストは全国に300人いるGRコンサルタントの中から際立ったスキルと豊富な知識を持つ人に与えられる特別な資格。日本中にたった5人しかいないGRスペシャリストは、いったいどんな人なのか? 今回は「神奈川県でカスタマイズするならココ!」 と言われるGR Garage MASTER ONE 東名川崎の横田浩之さんを訪ね、コペンGR SPORTを所有するお客様からGRスペシャリストはどんな存在なのかをうかがった
文:ベストカーWeb編集部/写真:西尾タクト
【画像ギャラリー】GRの専門家は日本でもたった5人!? お客様の求めることのさらに先を読む! GRスペシャリストはクルマの素のおもしろさを味わわせてくれる!(7枚)画像ギャラリークルマのカスタマイズはノーマル状態を理解したうえで、目的をはっきりさせることが重要
お客様からのカスタマイズの相談に乗っている横田さんにはブレないひとつの考えがある。それは闇雲にパーツを交換するようなカスタマイズは薦めないということだ。
「お客様が何を目的にしていらっしゃるかを聞くことが大事だと思っています。例えば『楽しく乗りたい』とお客様がおっしゃったとします。『楽しさ』ってお客様おひとり、おひとり違いますよね。サーキットで速く走ることが楽しいという人もいれば、普段運転すること自体が楽しいという人もいます。
また中にはGR ガレージに来ておしゃべりすることが楽しいという人もいらっしゃいます。皆様それぞれ目的が違いますよね。そのことを知らずにカスタマイズの相談に乗るのは違うかなと思っています」
GRガレージに来店するお客様ならカスタマイズが気になる方が多いはず。豊富な知識をもとにいろいろ提案していくものだと思ったらそうではないようだ。
「クルマにとって市販のノーマル状態は言うまでもありませんが、すごくバランスがいいものなのです。いろいろなパーツを扱っていますが、お客様の目的と合致しないものを薦めてしまうと、先ほど申した『楽しさ』が失われてしまいます。
カスタマイズは一気にやるのではなく、お客様の目的やスキルに合わせて、徐々にやっていくのがいいと思います。パーツは目的を補うものというのが私の考えです」
言葉は柔らかいが、信念のようなものを感じさせる口調だ。ノーマル状態を理解し、カスタマイズは目的にあわせてゆっくりやるのがいい。GRスペシャリストが話すと重みが違う。
クルマの運転がうまくなりたいに寄りそう
横田さんは続けてこんな話もしてくれた。
「プロドライバーの織戸学さんが定期的に行っているパークトレーニング(ドライビングテクニックを向上させるためのトレーニング)をお手伝いすることがあります。お客様の隣に乗ってアドバイスをするのですが、初めての方には『なぜトレーニングに参加されたんですか?』と必ずお聞きします。
すると大体『車の運転がうまくなりたいんです』と答えが返ってきます。次に運転がうまいとは、『タイムが出る速さを求めるうまさ』なのか『丁寧でスムーズに操作できるうまさ』なのか、どっちなのですか? と聞いて、実際に両方運転して見せます。するとお客様は自分がどちらを目的にしているのかわかります。
速さでも丁寧さでも目指すものがはっきりすれば、『こういうこと、ああいうことを考えながら運転してくださいね』とアドバイスできるようになります。
何が言いたいかといえば、『クルマをどう動かしたいのか』を先に考え、そのためにどんな操作が必要なのか、『考えながら運転する』ことを身に着けていくことが大事だということです。そこに成長があり喜びが生まれるのだと思います」
GRスペシャリストはカスタマイズに関してもドライビングに関してもしっかりとした哲学を持っていることがよくわかった。









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