野生動物との接触事故を減らすため、日産と大学、官公庁が手を取り合って進める「NISSAN ANIMALERT PROJECT」。その実証実験の途中経過が「第30回「野生生物と社会」学会大会」で報告されたぞ! 日産の軽EVサクラと高周波デバイスを用いて日本固有の絶滅危惧種を保護する注目のプロジェクトだ!
文:ベストカーWeb編集部/画像:PRTimes
ロードキル対策はどこまで進む!?
日産が2025年12月19~21日に開催された「第30回 「野生生物と社会」学会大会」に参加し、クルマと動物の接触事故に関する報告を行ったぞ! なぜ日産が学術の学会に!? と思う方もいるかもしれないが、いわゆるこれ、企業と大学と行政が力を合わせる産官学提携プロジェクトの一環。
日産も実はクルマと野生生物の接触事故(ロードキル)をゼロに抑えることを目指して、大学や行政とともに「NISSAN ANIMALERT PROJECT」を推進中だったのだ! 日産のほかには岡山理科大学、日本大学、帯広畜産大学、T.M.WORKS、奄美市、環境省がこのプロジェクトに参画中。
そんな企業・大学・官公庁によるドリームチームによる実験経過を今回、学会で報告したというわけだ! このプロジェクトは、動物に合わせた周波数を発する装置を使い、クルマと野生生物の接触事故を抑える方向性を探るといったもの。電気自動車に備わる車両接近通報装置から着想を得ているぞ。
「鹿ソニック」と日産 サクラで実験データ採集!
プロジェクトの背景としては、そもそも奄美大島で「ロードキル」が深刻な課題となっているという現状がある。こと奄美大島と徳之島には、日本固有種であり、絶滅危惧指定もされているアマミノクロウサギが生息しているため、早急かつ効果的なロードキル対策が求められてきた。
そんななか白羽の矢が立ったのは日産のEV軽自動車サクラだった! サクラにT.M.WORKS製の高周波ロードキル忌避デバイス「RK12」(通称:鹿ソニック)を搭載して、各種データを収集し、今後のロードキル対策に活かそうというわけだ。
登壇した研究者らのコメントからは、技術的な問題や結果の蓄積がまだ不十分であることが窺えるものの、次年度も継続して実験を行う前向きな意志も示され、今後の展開を楽しみにすることができそうだ。環境省側も、昨年度と比べて、プロジェクトがより前に進んでいることから、結果に期待を寄せるコメントを出している。
もちろんこういった成果は学術大会のみで報告されるだけでない! なんと2025年の夏休み期間には、実験の模様をまとめたパネルを奄美大島の空港で展示していた模様。また、9月には西表島と徳之島で行われた奄美巡回展でもこのプロジェクト紹介を紹介したとのことだ。
上記のような活動はまさに島内外の人にロードキルの実態と取り組みを周知する上でも有効な手段だと言えるだろう。研究だけでなく、地域に伝える動きが並走している点は、社会実装を見据えた足場づくりともいえ、まさに天晴の一言だ。
クルマの進化が動物を守る!!
日産はこれまで、たとえば「のるまえに #猫バンバン」などクルマに乗る前にボンネットなどを叩いてエンジンルームやタイヤの隙間などに潜む猫を保護するプロジェクトを展開し、動物愛護の方面にも力を入れてきた。
昨今、野生生物の生息域拡大や絶滅の問題もあり、動物と人間との共生についてはクルマも取り組んでいくことが必要な課題になってきている。今回の報告からもわかるように、安全や運転支援に関する機能は進歩が、鍵となってきそうだ。
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