前回の記事で「カテゴリー別のベストエンジン」を選出した本誌。ここではそこで選出されたクラスも排気量も違う5機種のエンジンから「ベストofベスト」を選ぶという、やや無茶な企画を強引に実行したい。
これが日本のベストエンジンだ! ガソリンエンジン万歳! 内燃機関万歳!
文:鈴木直也、国沢光宏、渡辺陽一郎
ベストカー2017年3月10日号
※本記事は、前回の記事で「スポーツ系NAエンジン部門=ロードスターの1.5L」、「3&4気筒NAエンジン部門=インプレッサの2L」、
「6気筒以上NAエンジン部門=レクサスLS460の4.6」、「ターボ&スーパーチャージャー部門=ステップワゴンの1.5LターボとWRX S4やレヴォーグの2Lターボ」が勝ち抜いており、
以下、決勝では「この5種類のエンジンのなかから最も優れたエンジンはどれですか?」という聞き方をしております。選出方法が気になる方は前回の記事をご参照ください。
200万円台で買える珠玉のエンジン
TEXT/鈴木直也
これはもう圧倒的にロードスターの積む1.5L,DOHC、P5-VP型が、ボクが自信を持って国産車のベストエンジンだとオススメできる。
131ps/15.3kgmとスペック的には目を見張るものじゃないけど、とにかく気持ちのいいエンジンに仕上がっている。
極めてオーソドックスなNAエンジンなんだけど、既存の技術を丁寧にブラッシュアップし、非常に扱いやすくてかつスポーティな乗り味にしている〝こだわり〟は、クルマ好きの琴線に触れるもの。
ドライバーの操作に忠実なリニアリティな吹き上がりとレスポンスは、200万円台で買うことができるモデルとしては珠玉のエンジンだと言っても過言ではない。
先代スイフトスポーツ(1.6L,DOHC、136ps)もそうだったけど、スポーツDOHCとしてはリッター100ps以上を達成している86/BRZのFA20エンジンのようなパワーはない。
でも、実際に乗ってみるとハンドリングは素直でスポーティだし、P5-VP型というエンジンがファンな操縦性を持つロードスターのキャラクターを決定づけている。
欲を言えば、このエンジンをデミオ15MBにも積んでほしい。15MBに積まれる1.5L,DOHCはアクセラのものと同じフツーの1.5Lだから、ロードスターと同じチューニングのエンジンを15MBのよりスポーティなグレードとして選択できればベターなんだけど。
インプレッサの2L水平対向DOHC、FB20型は3〜4気筒のカテゴリーで選ぶと図抜けていたけど、総当たり戦で選ぶまでの魅力には欠けているというのがボクの評価。
開発エンジニアによれば、「燃費よりも大事なことがありますよね」とのことだったけど、このご時世でそれはちょっとね。
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