突出した性能よりも、広範囲でまずまずな印象を残すベーシックカー。尖った魅力があるわけではないが、その存在は日本における自動車普及の原動力となっている。ここでは時代の節目に現れた記憶に残るベーシックカーを取り上げる。
※本稿は2026年2月のものです
文、車種選定:片岡英明/写真:トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、ダイハツ、スズキ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年3月26日号
記憶に残る国産ベーシックカーの歴史
1960年代半ば、日本は高度経済成長の波に乗り、マイカーが夢ではなくなった。1966年秋、「プラス100ccの余裕」のコピーで売り出し、大ヒットしたのがトヨタのカローラだ。
端正なデザインとスポーティなフロアシフトの4速MTを採用し、ライバルのサニーを蹴落としている。
雪辱を期すサニーは、1970年に登場した2代目で走りのよさとキャビンの広さを前面に押し出した。この110サニーは、レースでも大暴れするなど、若者御用達のベーシックカーへと成長を遂げている。
これと対照的なのが1972年に誕生したシビックだ。自動車を取り巻く環境が大きく変わってきたことを感じ取ったホンダは、人と地球にやさしいクルマづくりに設計方針を転換した。
道具感覚を売りにするシビックは、FF方式に台形ボディを組み合わせ、難関の排出ガス規制も革新のCVCCエンジンで乗り切った。
カローラより人気になったマツダ車
スポーティな味わいのスターレットやスーパーシフトのミラージュも傑作だが、1980年6月にFFに転換して登場したマツダのファミリアの存在が際立っている。
走りのよさに加え、ラウンジシートや電動サンルーフなどの新しい装備がヤングを魅了。販売でもカローラをうっちゃった。
その下のクラスで目を引いたのは、リッターカーの元祖を自認するダイハツの2代目シャレードだ。世界最小の3気筒ディーゼルやターボを送り込み、群を抜く経済性をアピールした。
同じリッターカーのマーチも、1992年に登場した2代目は走りの質感が高く、内外でヒットを飛ばしている。
スターレットの後継のヴィッツも衝撃だったが、21世紀のエコカーとして革新的だったのはセンタータンク採用のフィットだ。シビック並みの広いキャビンと荷室に加え、走りも軽快だった。
2004年に登場した初代スイフトはトータル性能が高く、スイスポは走りの質感も一級だ。
2010年代はハイブリッド専用モデルのアクアがベストセラーカーに躍り出る。2020年に登場したヤリスは、ホットハッチのGRヤリスも設定するなど、刺激的だ。
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