クルマに乗ろうと駐車場へ向かうと、なにやらクルマの下に液体が…。
「何かクルマから漏れてる!」と一瞬ヒヤッとしてしまいますが、クルマからの液漏れは、クルマに異常がある場合と、そうでない場合があります。
液体が漏れている位置や、液体の状態を把握すれば、どなたでも判別することができます。もしもの時のために見分け方を覚えておきましょう。
文:吉川賢一、写真:トヨタ、平野学、ベストカー編集部
液漏れしている位置で危険度が分かる
液漏れが考えられる位置としては、助手席の下、マフラーの下、エンジンルーム先端下、エンジンルーム中央付近下、タイヤ裏側付近などがあります。
この他にも、FR駆動のクルマならばシフトレバーの下、さらにはFRもしくは4WDの場合は、後輪車軸の中央にあるデフからの液漏れでないかも、確認しましょう。
液体の色を見れば、液体の種類が丸わかり!
次に、漏れている液体の色や粘度を確認します。水のような透明な液体なのか、レッドやグリーン、ブルーなどの色がついている液体なのか、黒や茶色で、かつ粘り気があるのか。
これでクルマの異常なのか、そうではないのか、おおよその判断をつけることができます。
1、水の場合
液漏れしている位置が助手席の下あたり、もしくはマフラー下あたりで、かつ無色透明で粘り気がない場合は、異常ではありません。水の正体は、エアコンのドレーンからの排水、またはマフラーからの排水です。
夏場などカーエアコンを使用していると、除湿された水分が、エンジンルームを経由して助手席の下あたりに排水されます。
マフラーからは、排気ガスに含まれる水分が、エンジンの排気圧力で垂れてきているだけなので、問題はありません。
2、レッドやグリーン、ブルーなどの色付きの場合
エンジンルームの先端、フロントグリルの付近から漏れていて、レッドやグリーン、ブルーなどの色のついた液体の場合、エンジンの冷却水が漏れている可能性が高いです。
エンジン冷却水は、錆や凍結を防ぐ液体が混ざっているため、このように着色されています。すぐに冷却水の量を確認しましょう。
冷却水が漏れて不足すると、エンジンがオーバーヒートする可能性もありますので、自動車整備工場などに相談する必要があります。
また、冷却水には有毒物質も含まれているので、異常がある水溜まりを屋内ガレージで発見した場合は、念のため換気を行いましょう。
3、タイヤ裏側付近から液体が漏れている場合
タイヤ裏側付近から液体が漏れている場合は、「ブレーキフルード」の可能性があります。ブレーキフルードは一般的に、ほぼ透明に近い黄色をしています。
ただし、フルードの劣化が進行すると、より黄色く変化し、さらには茶色、最後には黒に変色します。ブレーキフルードが漏れていると、ブレーキが利かなくなることがありますので、こちらも必ず専門家にみてもらうようにしてください。
4、その他の液漏れの場合
エンジンルームの中央付近から漏れている、また、クルマによっては、シフトレバー下や、後輪車軸左右の中央などから漏れていて、黒もしくは茶色の液体の場合はオイル漏れですので、直ぐに対処が必要です。
ニオイもあるので比較的発見しやすいです。すぐにオイルゲージの残量を確認しましょう。
オイル漏れは、エンジンやトランスミッションなどに、何かしらのトラブルが発生していることで起きます。ディーラーやカーショップといった自動車修理の専門店にみてもらうようにしてください。
5、ガソリン臭がする場合
燃料が漏れている場合は、強烈なニオイがしますので、もっとも判断がつきやすい症状です。燃料漏れは、燃料タンクからというよりも、燃料ホースに何らかのトラブルが発生した可能性があります。
燃料漏れを発見した場合は、必ずエンジンを切り、クルマを一切動かさずに、JAFや自動車整備工場などに連絡してください。
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