クルマの小改良を行うマイナーチェンジだが、時にはこのマイナーチェンジによってまるで別のクルマのような見た目になってしまうモデルもある。今回は、そんなマイナーチェンジ前後で風貌がガラリと変わってしまったクルマを見ていきたい。
文/長谷川 敦、写真/スバル、トヨタ、ホンダ、三菱自動車、CarWp.com
【画像ギャラリー】マイナーチェンジのはずなのに別ものになったクルマたち(19枚)画像ギャラリー頑なにフルモデルチェンジとは言わない!?「トヨタ プロボックス」
主に商用車として利用されるトヨタ製小型ライトバンのプロボックスがデビューしたのが2002年のことで、そこから現在まで同車のフルモデルチェンジは実施されていない。
しかし、ビッグマイナーチェンジは2014年に行われており、ここでプロボックスのルックスは大きく変化している。
良くいえば質実剛健、ややもすると無個性にも思われた顔つきは近代的なものに変化し、エンジンも燃費性能を向上させた新型になった。
マイナーチェンジが行われた時点で、すでにプロボックスを商用ではなく自家用にするユーザーも増えてきていたが、このマイナーチェンジによってそうした層への訴求力が高められた。
実際、マイナーチェンジあたって車両の型式番号も変更されているためフルモデルチェンジといっても問題はないのだが、メーカー公式ではマイナーチェンジと発表している。
顔が全然違う!!!「ホンダ インテグラ(3代目)」
1985年に初代モデルがデビューしたホンダのインテグラ。
スポーティな見た目と走りの良さから多くのユーザーに支持されたインテグラは、1989年登場の2代目モデルによってその地位を確固たるものとした。
大人気モデルになった2代目インテグラに代わる3代目モデルの発売は1993年とアナウンスされ、多くの期待が集まったものの、いざ登場した3代目インテグラの姿にいささかガッカリさせられた人も少なくなかった。
初代モデルのヘッドライトは開閉式のリトラクタブルタイプで、2代目では横長の角型。人気のあった2代目の意匠は3代目にも引き継がれると予想されていた。
しかし、実際に登場した3代目インテグラのヘッドライトは丸目の4灯で、先代とは大きくイメージの異なるものだった。
フルモデルチェンジなのだから変化が大きいのも当然アリなのだが、3代目の丸目4灯フェイスからは、先代の魅力だったシャープさが感じられなかった。
このため3代目インテグラの販売成績は低調に進み、それを打破するために1995年には早くもマイナーチェンジが断行され、3代目のヘッドライトは2代目に似た横長角型に改められた。
この変更でインテグラの国内販売は息を吹き返すことになるが、もともと丸目4灯に対する拒否感の少なかった海外では、世代末期まで丸目4灯のまま販売されている。
丸目から鷹目に大変身「スバル インプレッサ(2代目)」
1992年発売のスバル インプレッサは、世界ラリー選手権への投入も視野に入れるなど、スポーツ志向の強い4ドアセダン&5ドアハッチバックモデルとして登場した。
その2代目は2000年に登場しているが、この世代のインプレッサは、2000~2007年のわずかな期間に複数回のフェイスリフトが実施されたことでも話題になった。
最初に登場した2代目インプレッサは前モデルとは異なる丸いヘッドライトが特徴的で、通称「丸目」と呼ばれている。
しかしこの丸目は不評だったようで、2002年のマイナーチェンジで横に長いヘッドライト形状に変更され、このライトは「涙目」の呼称を得た。
この涙目の評価にも賛否両論があり、2005年には再びヘッドライトの変更を実施している。
最後に登場した通称「鷹目」は市場にも受け入れられ、2007年のモデルチェンジまでそのまま続くとともに、3代目モデルでも鷹目の意匠が引き継がれた。
初期、中期、後期の2代目インプレッサを比べて見るとわかるが、それぞれ同じクルマとは思えないほど印象が異なる。
新車で購入したオーナーは、愛車がすぐに“旧型”になってしまったことにどのような感想を抱いたのだろうか?
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