日本が高度経済成長期のまっただ中にあった1960年代、各メーカーから魅力的で技術面でも見るところの多かったスポーツカーが多数登場した。今回は、そんな60年代スポーツカーから、現代にも通じる先進思想のモデルをピックアップしてみた!
文:長谷川 敦/写真:トヨタ、ホンダ、マツダ、CarWp.com
【画像ギャラリー】なぜ今も通用する? 60年代スポーツカーが遺したもの(16枚)画像ギャラリースポーツカーが花形だった時代
現在でこそスポーツカーは趣味性の強いカテゴリーとして知られているが、日本を含む世界の自動車産業がまだまだ発展期にあった1960年代は、高性能なスポーツカーがそのメーカーの技術力を象徴する存在であった。
今回の記事では国産スポーツカーにスポットを当てて紹介していくのだが、この時代には現在でも名車と呼ばれるモデルが多数登場している。
また、エコロジーが重視される現在において実用性の低いスポーツカーはやや肩身が狭い状況に置かれているものの、60年代は憧れの的であり、豊かさの指標にもなっていた。
好景気下ではメーカーの開発費が潤沢にあったこともスポーツカー開発を後押ししていたのは間違いなく、トライ&エラーのエラーを許容する余裕もあった。
こうして誕生した各社のスポーツカーには時代の先端技術が盛り込まれ、それが現代への礎になっている。
次項からは、そうした珠玉の60年代スポーツカーを見ていくことにしよう。
極みに達した内燃エンジン
●トヨタ 2000GT
1967年に発売されたトヨタ 2000GTには、その名称どおりの2リッターエンジンが搭載されていたが、このエンジンはトヨタが2代目クラウンのために製作した直列6気筒SOHCエンジンをベースに、提携関係にあったヤマハが開発したDOHCヘッドを組み合わせている。
2社の共同開発によって誕生した2リッターエンジンは、当時の国産車としては最高クラスの150psを叩き出し、軽量な車体を最高速度220km/hまで押し上げた。
このエンジンの成功をうけて、その後のトヨタ製DOHCエンジンの多くがヤマハとの共同開発によって生まれている。
もちろん、2000GTが現在でも名車と呼ばれるのはエンジンだけに理由があるのでなく、優雅なラインを描くボディフォルムや前後ダブルウィッシュボーンサスペンション、充実した内装なども魅力となっていた。
そんな2000GTの販売価格は約239万円であり、これもまた当時の国産車としては突出して高額。
一部の限られた人のみが手にできた2000GTは、名実ともに憧れの的だった。
●ホンダS500/S600/S800
トヨタ 2000GTが登場する4年前、1963年には国産モデル初のDOHCエンジンを搭載したホンダ S500がデビューしている。
DOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)は、エンジンのバルブを駆動するシャフトを吸・排気側それぞれに持つエンジンを指し、シングルカムシャフトのSOHCより高回転型になるという特徴がある。
しかし、SOHCに比べて複雑なDOHCは開発が難しく、1960年代では世界的にも搭載車は少なかった。
そんななか、2輪メーカーからスタートしたホンダが、自社初の普通乗用車となるS500でいきなりDOHCエンジンを採用してきたことが世間を驚かせた。
500ccエンジンのS500は翌年に排気量を拡大したS600へと進化し、1966年には決定版ともいうべき800ccのS800が登場する。
8000rpmで70psを発生するエンジンを持ったS800は、排気量で上回るモデルをも凌駕するスピードを披露し、レースでも大活躍を演じている。
現代でも高回転型エンジンと得意とするホンダの歴史は、同社初の市販乗用車からすでにスタートしていたのだ。
【画像ギャラリー】なぜ今も通用する? 60年代スポーツカーが遺したもの(16枚)画像ギャラリー



















コメント
コメントの使い方