日本の軽オープンカー文化を牽引し続けるダイハツ「コペン」。その熱狂的なオーナーたちが一堂に会するファンイベントが開催された。会場を埋め尽くしたのは、十人十色のカスタムが施された新旧コペンたちと、オーナーたちの笑顔だ。単なる「車の集まり」を超え、なぜコペンはここまで人々を魅了し、深いコミュニティを形作れるのか?今回は、熱気溢れる現地の様子を徹底レポート。さらに、コペンという名車が愛され続ける理由と、軽オープンがもたらす豊かなカーライフの魅力に迫る。
文:永田恵一/写真:ベストカーWeb編集部、ダイハツ
【画像ギャラリー】オーナーこだわりのカスタム軽スポーツ&会場の熱気を見て!(34枚)画像ギャラリーコペンの未来に向けたファンイベント!
全国的に素晴らしい天候に恵まれた5月16日(土)の路上ではオープンカーを多く目にしたと思うが、御殿場市周辺で一番多かったオープンカーは新旧のコペンだったに違いない。
なぜかといえば「次期型の登場は確実だけど、今年8月で現行コペンの生産が終了するのを節目に、コペンファンへの感謝と未来への決意表明の場を設ける」という趣旨でコペンのファンイベンでOPEN DRIVE DAY【Keep it OPEN】が富士スピードウェイで開催されたからである。
ここではコペンオーナー、主催のダイハツともにコペン愛に溢れたこのイベントの模様をお伝えしていく。
来場してまず驚くのが1000台の定員に対し2680台の応募が集まり、976台来場したコペンが富士スピードウェイのホームストレートに並んだ壮観な光景である。
1列4台の車列は1コーナー手間50mの看板からホームストレートのかなり最終コーナー側まで続いており、約全長3.4mのコペン+前後の通路で1列4mとして、245列分で980mと計算すると、約1.5kmある富士スピードウェイのホームストレートが必要になるのも納得だ。
またこの日の朝には200台のコペンによるパレードもあったが、パレードと入退場以外約4.6kmのレーシングコースをクルマが走ることがないというのも贅沢な話だ。
なお、来場車は80%が関東圏と中部圏が占め、一番遠い来場車は沖縄から3日掛けて来たというのだから、コペンオーナーのコペン愛は深い。
ちなみに来場したコペンの内訳は以下の通り
・初代コペン303台
・丸目のセロ259台(以下現行コペン)
・GRスポーツ221台
・登場時メインとなったローブ168台
・クロスオーバー的なXプレイ21台
・200台限定のクーペ4台
内訳を見ると、生産終了から12年が経った初代コペンもまだまだ健在なのが印象的だ。
イベントステージの様子
イベントはステージでの開会宣言で正午にスタート。イベントにはダイハツ社長井上雅宏氏、副社長星加宏昌氏、副社長桑田正規氏、営業CS本部本部長福田昭夫氏らダイハツ経営陣も来場(これだけでもすごいことだ)、一部のご挨拶を紹介すると……。
●井上雅宏社長
「富士スピードウェイに向かう高速道路ではコペンが『占拠』しているところもあったと聞き、驚きました。コペンを知ったのはトヨタで海外商品担当をしていた02年頃でしたが、ディーラーに欲しいクルマを聞いたところ、カナダのバンクーバーの方が『長く愛されそうな楽しいクルマだからコペン』と答えたことが記憶に残ってます。コペンと言えば最近JMSに出展したランニングプロトに乗りましたが、量産への課題は多いながら、ポテンシャルは高いのが確認できましたので期待して待っていてください」
●星加宏昌副社長
「朝行われた200台のコペンによるパレードランを見て泣きそうになり、46年間ダイハツに勤めていますが、コペンを出せてよかったと思っています」
●福田昭夫営業CS本部本部長
「営業担当としてはコペンが出た時、ディーラーの雰囲気が元気になったのが印象的で、コペンは累計約11万台が販売されました。次のコペンまではしばらく時間が掛かりますが、楽しみにお待ちください」
このように経営陣もコペン愛に溢れていた。
イベントでは歴代コペンのメモリアル展示、コペンのミニ四駆をその場で組立て走らせるミニ四駆大会、マルチパーパスドライビングコースでの同乗試乗(前述2つは事前抽選)など、多くのコンテンツが設けられた中、特に面白かったのがDRESS -FORMATIONショーだった。
これは忘れている人も多いであろう、現行コペンは外板パネルがボルトオンとなっており、例えば「ローブのエクステリアをセロにする」といったことが比較的容易にできる着せ替えをデモンストレーションするもの。
イベントでは生産担当4名、検査担当2人という6人の匠が赤いGRスポーツを黄色のセロにしたあと、元々のGRスポーツに戻すというデモンストレーションが行われた。
匠の技だけに一度の着せ替えは12分程度という早業で、黄色のセロからの元々の赤いGRスポーツに戻した際に、一時的にトランクリッドが電動開閉しなくなるというハプニングはあったものの、完成時は拍手喝采が起きた。
このデモンストレーションを見ていると、「忘れていたけど現行コペンで培ったこの構造は、軽となる可能性が高い次期コペンにジムニーシエラのような小型車版も追加するなどの派生がある場合、低コスト化などにつながるかも」と筆者は感じ、今後の発展も期待したい。
取材陣には井上社長、福田CS本部長を交えた取材の機会も設けられ、印象的だった質疑応答を紹介すると
Q:最近乗られたというランニングプロトの具体的な良さとは?
●井上雅宏社長
「乗りやすいいいクルマというのがまとめになります。量産化に向けては安全関係、サイバーセキュリティの対応などを軽サイズに収めるかなど課題も多いですが、開発スタッフは悩みながらも楽しそうにやっております」
Q:コペンが二世代で20年以上続いたことで、ダイハツが得たものは?
●井上雅宏社長
「ダイハツがチャレンジを行う大きな場は九州工場なのですが、コペンでもコペンファクトリーでの生産の際にユーザーさんに自分のクルマが生産される姿を見学してもらう機会や、DRESS -FORMATIONなど、コペンがチャレンジの場を与えてくれたことでしょうか」
●福田CS本部長
「ダイハツ全体に彩り、潤い、元気を与えてくれました」
販売は多くなくとも、コペンがダイハツにとって大事な存在に育ったことを深く感じさせられた。
イベントは夕方ステージで行われた中締めの挨拶の後も、暗くなったホームストレートに数多く残ったコペンによるライトイルミネーション「みんな星を灯そう」、フィナーレとなる花火と続き、花火の中コペンオーナーたちは帰路に就いた。






































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