レクサス、日産、ホンダ、マツダ、三菱、スズキの6社が一堂に会し、BEV&PHEVの合同試乗会が開催された。いつの間にか日本にも比較できるほど多数のEVが揃った……と妙な感慨に浸りつつ、ここではBEVの比較試乗をお届け!!
※本稿は2026年3月のものです
文:吉川賢一/写真:小林岳夫
初出:『ベストカー』2026年4月26日号
BEV5台の性格と乗り味の違いを検証
今回試乗したBEVはどれも明確な違いを見せた。
レクサス RZ550eは、電動ドライブそのものの完成度が非常に高く、アクセル操作に対する応答は滑らかで、踏み加減に応じてリニアにパワーが立ち上がり、減速時の安定性も高い。静粛性も優れており、路面を舐めるように進む感覚がある。ADASのレーンキープ制御も自然で完成度が高い。
ただしコーナリング時には、操舵入力に対する横Gの立ち上がりが唐突に感じた場面もあり、「操作と挙動の同期」という観点では気になるポイントが残る。ヨークステアリングに伴う操作系の違和感は、慣れで解消される可能性はあるだろうが、初期印象としては評価を分ける要素となった。
新型リーフは操作に対する応答の滑らかさと扱いやすさが光る。低速域でも違和感が少なく、操舵力は軽めで、乗り心地も穏やかかつ静粛性が高く、全体としてリラックスした移動が可能だ。
ADASのレーンキープ制御も自然で安心感が高い。積極的なドライビングよりも「移動時間そのものの快適さ」に価値を置いた仕上がりといえる。
eビターラ(4WD)は対照的に、軽快さが際立つモデルだ。車体の軽さを感じさせるハンドリングは、今回の試乗車のなかで最も軽快で、積極的に走らせたくなるキャラクターだ。減速から再加速へのつながりもスムーズで、コーナーでの踏み増しも自由自在に行える。
一方でADASの介入はやや強めで、場面によってはドライバーの意図とのズレを感じることもあった。
サクラは扱いやすい加速フィールと、自然な減速挙動が印象的で、特にADASの制御はとてもなめらかで違和感が少なく、軽の枠を超えた完成度だ。
他方のN-ONE e:は、足回りのしなやかさと乗り心地のよさが際立ち、サクラを超える部分もある。減速から加速へのつながりも自然で優れるが、内装や演出面にBEVの新しさが感じにくかった。
以上の試乗結果をもとに筆者なりに評価を行った。評価は「電動ドライブの完成度」「乗員快適性」「操作性の満足度」「運転支援の介入品質」「コスト価値」の5項目、それぞれ5点満点で評価した。
リーフとeビターラが同点1位、RZが3位に
その結果、eビターラと新型リーフが同点で第1位となった。
eビターラは軽快なハンドリングによる「走る楽しさ」、リーフは快適性とADASによる「過ごす価値」と、それぞれ異なる方向性で完成度が高く、いずれも価格とのバランスに優れる点を評価した。
3位はレクサスRZだ。性能面ではトップクラス、特に電動ドライブの完成度という観点ではトップクラスであり、不満はほとんどないが、950万円という価格帯を踏まえると評価基準が一段引き上がってしまい、操作に対する挙動の唐突さが体験価値に影響し、結果として順位を落とした。
今回の試乗は、追浜のグランドライブ内での試乗ではあったが、スラロームなどができる直線路は使用不可だったこともあり、レクサスRZの性能の高さを引き出すことができず、その価値を最大限に味わい切れなかったという側面もあるだろう。
サクラは、価格を踏まえた体験価値という観点で極めて優秀だと感じたが、絶対的な性能では上位に及ばず4位。N-ONE e:は走りや航続性能そのものは充分に評価できる一方で、内装の品質やメーターなどの表示系にBEVならではの特別感が乏しく、所有する満足感という点で評価を落とし、5位となった。
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