世界初!! スカニアが大型EVトラックからの双方向充電に成功! メガワット充電システムも注文可能に

世界初!! スカニアが大型EVトラックからの双方向充電に成功! メガワット充電システムも注文可能に

 電気自動車と電力網が双方向に電力をやり取りする「V2G」は、いわば自動車を走るバッテリーとして活用し、電力需給の調整や再生可能エネルギーの利用率向上につなげる技術だ。特に大容量のバッテリーを搭載する大型トラックは蓄電リソースとしてのポテンシャルが高い。

 スウェーデンのトラックメーカー・スカニアは自社の大型BEVトラックとメガワット充電システム(MCS)によるV2Gに世界で初めて成功した。併せて同社トラック向けに、MCSとキャブ下バッテリーの一般注文を開始したことも発表されている。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/Scania CV AB

スカニア、MCSによる車両からの電力供給に成功

世界初!! スカニアが大型EVトラックからの双方向充電に成功! メガワット充電システムも注文可能に
グリッド(電力網)、MCS充電器、BEVトラックの間で相互に電力のやり取りを可能にするのが「V2G」。これらの全てをリアルタイムに制御するエネルギー管理システムも必要

 スカニアは2026年5月26日、大型商用車向けの「メガワット充電システム(MCS)」を使った世界初となる車両から電力網への電力供給(V2G)の実装に成功したと発表した。

 V2G(Vehicle-to-Grid)は車両とグリッド(電力網)が双方向に電力をやり取りする技術を指し、バッテリーEV(BEV)を動く蓄電池として活用することで、電力需給を調整したり、再生可能エネルギーの利用を後押しする効果などが期待されている。

 特に大型トラックは稼働台数が多く、電動化した場合に搭載するバッテリーも巨大なものになる。将来的にV2Gが普及すれば、トラックは物流だけでなくエネルギー網においても重要な役割を果たすことになるかもしれない。

 今回のデモンストレーションではトラックから1000A・750kWの出力が得られたといい、、BEVトラックが実際に電力のピークカットやバランス調整、エネルギー貯蔵など柔軟なサービスを提供し得ることを示した。

 もちろん、トラックを充電するために電力網には相応の負荷がかかる。いっぽうで、見方を変えればBEVトラックは自走する巨大なモバイルバッテリーだ。車両と電力網が相互に送電できるのであれば、柔軟なエネルギー管理により電力網の負担を減らし、太陽光発電など出力変動の大きい再生可能エネルギーの利用率を向上させることも可能になる。

 スカニアで変革・新規事業を担当するグローバルマネージャーのトビアス・エイデルハムン氏は次のように話している。

「電動のトラックは電気を消費するだけでなく、エネルギーシステムにおけるリソースにもなり得ます。こうした変革は運送事業者にとっては、輸送サービスとともにエネルギーを提供する新事業にもつながります」。

 また、スカニアが所属するトレイトン(フォルクスワーゲンの商用車部門)の充電製品マネージャーを務めるヨーベン・ミュラー氏は次のように述べている。

「この技術が優れているのは、エネルギーの流れを双方向に制御できることだけではありません。MCSとインテリジェントなエネルギー管理を組み合わせたことも重要です。私たちが知る限り、大型商用車向けのMCSでV2Gを実現したのはこれが世界で初めてです。トラックと充電器、そしてエネルギーシステムが相互に通信できるので、大型BEVトラックはエネルギーを能動的に制御するための資産に位置づけることができます」。

 スカニアによると、V2G技術はトラックと充電インフラに新たな付加価値をもたらすもので、BEVトラックの普及を加速させる可能性も秘めているという。当初は、トラックを車庫に停めている間の電力需給に合わせた調整などが特に有望な用途となるそうだ。

次ページは : MCSは充電戦略の「模範解答」に?

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