ハイブリッド車の場合、回生ブレーキをうまく使うことが、燃費をよくするために重要となるテクニックです。
一部の車種には、この回生ブレーキを積極的に使うための、「ブレーキ(Brake)」を表すBレンジがついていますが、ハイブリッド車オーナーの方の中には、使ったことがない、という方も多いようです。
せっかくだから使いこなしてもらいたい!ということで、本記事では、Bレンジの仕組みと、上手な使い方について、ご紹介していきます。
文:吉川賢一、写真:トヨタ、日産、ベストカー編集部
ハイブリッド車のBレンジは、ガソリン車のシフトダウンと同じ使い方
ハイブリッド車の代表例、トヨタプリウスの操作マニュアルによると、Bレンジは、「急な下り坂など、強いエンジンブレーキが必要なときに使用する」とあります。
下り坂で速度が出すぎてしまうとき、マニュアルミッション車や有段のオートマ車であればシフトダウンをし、エンジンブレーキを効かせて走行させますが、変速ギヤを持たないハイブリッド車では、そもそも「シフトダウン」という概念がなく、その代わりとしてBレンジが用意されているのです。
Bレンジでは何が起こっている?
そもそもハイブリッド車のBレンジは、アクセルオフ時の回生ブレーキのこと。回生ブレーキとは、回転エネルギーを電力エネルギーに変換して減速する方法で、いわば、自転車の前輪についているタイヤの回転を利用したライトの原理と同じです。
アクセルオフにすると、減速と同時に発電を行い、この電気を、車両の走行用バッテリーへと蓄え、活用するようにできています(自転車の場合はライトの点灯につかっている)。
強く減速を効かせることで、通常走行でのアクセルオフ時よりも、より多くの電力を取り出すことができます。(※筆者注/ただし、ハイブリッドシステムの種類によっては燃費が良くならない場合もあります。ただいまメーカーへ確認中ですので少々お待ちください。2020.5.23 15:00)
もちろん、バッテリーに蓄えられる電力には、限界がありますが、ハイブリッドカーの場合、バッテリーに回生した電力がいっぱいとなり、これ以上、回生の必要がなくなると、モーターではなくエンジンの抵抗によって生じる減速作用へと切り替わります。
PHEVのような大容量のバッテリーを備えたクルマでは、下り道で満充電になることはほとんど起きませんが、バッテリー本体が熱を持つようになると、車両側で制限をするなど、異常過熱をしないよう、対処されています。
ちなみに、ホンダのインサイトなどには、この回生ブレーキの強さを手動調整する「減速セレクター」という機能があります。3段階で減速度合いを変えられるので、シチュエーションに応じて、車速のコントロールがしやすくなります。
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