電欠じゃないのかよ!! EVのJAF出動理由1位はまさかのタイヤ…BEV時代に見落としがちな“本当の弱点”

電欠じゃないのかよ!! EVのJAF出動理由1位はまさかのタイヤ…BEV時代に見落としがちな“本当の弱点”

 BEVは電欠が怖い、というイメージをもっている人は少なくないでしょう。ガソリン車とは違い、BEVはエネルギーが切れてしまうと復旧が大変。「もし途中で電池がなくなったら」という不安は、BEVを語るうえで避けて通れないテーマです。

 しかしJAFが公表している『2025年度:月別BEV』の2026年3月分データを見ると、BEVにおけるもっとも多いトラブルは、意外にもタイヤのパンクやバースト。駆動用バッテリーの電池切れは3位にとどまっています。

 エンジンオイル交換が不要になるなど、ユーザーによる維持管理の負担がガソリン車よりも少ないBEVですが、タイヤや補機バッテリーといった基本的なメンテナンスの重要性は変わりません。むしろ車重の増加などによって、ガソリン車やハイブリッド車以上に注意が必要な部分もあります。

文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_metamorworks /写真:Adobe Stock、写真AC、NISSAN

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電欠よりも多かった!? BEVトラブルの最多はタイヤのパンク

 BEVのトラブルと聞いて、真っ先に思い浮かべるのは走行用バッテリーの電力が切れる「電欠」でしょう。しかしながら、JAFによると、2026年3月のBEV救援要請理由において、駆動用バッテリーの電池切れは3位。全体の9.7%にとどまっています。

 もっとも多かったのは「タイヤのパンク・バースト・エアー不足」。全体の28.8%を占めています。

 BEVは大容量の駆動用バッテリーを搭載しているため、同クラスのガソリン車やハイブリッド車よりも重量が増えがちです。その重い車体を支えるタイヤには大きな負荷がかかるため、摩耗が早く進みやすいほか、損傷のリスクも高くなります。また、発進直後から大きなトルクを発生させるモーター駆動であることも、BEVがタイヤを酷使する理由のひとつと考えられます。

 ガソリン車もハイブリッド車もBEVも、路面と接しているのはタイヤだけです。昨今のクルマはスペアタイヤではなく修理キットを搭載している場合が多いため、修理キットでは対応できないタイヤのトラブルでは、JAFなどのロードサービスに頼ることになります。前述のJAFのデータは、BEV時代になってもタイヤの重要性が変わらないことを改めて示しているといえます。

JAFの救援データでは、BEVのトラブルでもっとも多いのはタイヤのパンクやバースト。重量の大きなBEVではタイヤ管理の重要性がさらに高まっている(データはJAF「ロードサービス救援データ(2025年度:月別BEV)」より)
JAFの救援データでは、BEVのトラブルでもっとも多いのはタイヤのパンクやバースト。重量の大きなBEVではタイヤ管理の重要性がさらに高まっている(データはJAF「ロードサービス救援データ(2025年度:月別BEV)」より)

EVなのにバッテリー上がり!? 意外と多い補機用バッテリーのトラブル

 タイヤに関するトラブルに次いで多かったのが、補機用バッテリーが上がる「過放電バッテリー」。2026年3月分では24.2%を占めています。

 BEVには走行用の駆動用バッテリーとは別に、一般的なガソリン車と同じように12Vの補機用バッテリーが搭載されています。クルマのシステムが起動している場合(走行が可能な状態)や、普通充電・急速充電を行っている間は、駆動用バッテリーから補機用バッテリーへ自動で電気が送られるため、クルマを日常的に動かしていれば基本的にバッテリーが上がることはありませんが、システムがオフの状態で、長期間クルマを使用しなかった場合や、補機用バッテリーの劣化が進んでいると、ガソリン車と同様にバッテリー上がりが発生する可能性があります。

 BEVも、ドアロックや車内の電子機器、各種コンピューターなどを作動させる役割は補機用バッテリーが担っています。そのため、補機用バッテリーが上がってしまうと、BEVであってもクルマを動かせなくなってしまうのです。

BEVにも駆動用バッテリーとは別に12Vの補機用バッテリーが搭載されている。補機用バッテリーが上がると、駆動用バッテリーに電力が残っていてもクルマを動かせなくなる(PHOTO:写真AC_Hamproeng)
BEVにも駆動用バッテリーとは別に12Vの補機用バッテリーが搭載されている。補機用バッテリーが上がると、駆動用バッテリーに電力が残っていてもクルマを動かせなくなる(PHOTO:写真AC_Hamproeng)

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