当たり前だったのも遠い昔、今やすっかり懐かしい巻き取り式のアナログ方向幕がついた路線バス車両。とはいえまだ絶滅までには至っておらず、2026年1〜6月にかけても、各地で“幕の車”を何台か見かけた。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、2026年1〜6月に見かけた幕の車の写真があります)
■大阪府・大阪シティバスの日野ブルーリボン
2026年1月、JR大阪駅のバスターミナルを訪れた際、次々とターミナルに現れる大阪シティバスの路線バス車両の中に、なんとアナログ方向幕の付いた車が数台混ざっていた。
なにしろ場所は大阪のような大都会。てっきりバスの行先表示器は同じく大都会の東京の要領で、ほとんどLEDに置き換わっているだろうと思い込んでいた。
そんな矢先に幕の車がまだ普通に使われている光景を目の当たりにして、仰天すると同時に何とも懐かしい気持ちになった。
1時間くらい駅前でバスウォッチして、やってきたアナログ方向幕付きの車両は全部で5台。
後で各車のプロファイルを確認したところ、5台とも2006年に当時の大阪市営バスが導入した、縦2段のヘッドランプが左右に並ぶ、角目4灯の日野ブルーリボンだった。
■鹿児島県・鹿児島交通の各車
続いても2026年1月。鹿児島県の鹿児島市、志布志市、霧島市ほか各所で見かけた、もしくは利用したバスに使われていた、鹿児島交通の車各種。
鹿児島交通には車齢30年クラスの準旧車/旧車がけっこう多いのが特徴。バリアフリー対応前のクラシックな仕様を持つ路線バスを楽しむには最高のエリアとも言える。
旧車系に強い環境が手伝ってか、アナログ方向幕を積んでいる車両もまた、他の地域に比べると数が多い印象。
方向幕の内容が文字一辺倒ではなく、一部にピクトグラムを盛り込むなど、ちょっと近代化しているところにも味わいを感じる。
数台見かけたうち、プロファイルの分かったものは2車種。いずれも1997年式の大型路線車となっている。
1つは三菱ふそうのエアロスターで、エアサス付きのMP717と、リーフサス付きのMP317を確認できた。
一方は日野ブルーリボンの下回りに、西日本車体工業(西工)製のボディを組み合わせたバリエーションだ。
■岡山県・下津井電鉄バスの各車
今回最後に紹介するのが、2026年6月にたまたま見かけた、アナログ方向幕付きの路線バス車両。
場所は岡山県倉敷市の児島駅前。四国との間をつなぐ、瀬戸大橋の本州側の出入口となる主要駅だ。
この駅前バスターミナルに現れた、下津井電鉄バスの大型路線車のうち、3台の車にアナログ方向幕が取り付けられていた。
車種は3台とも日産ディーゼル・スペースランナー系の下回りに、富士重工の車体を組み合わせたモデル。1994〜95年式と、現時点で車齢30年を超えるベテラン車両ということになる。
うち2台の側面には上下2段式のアルミサッシ窓が付いており、こちらも昔ながらのバス感が伝わってきて何とも懐かしい。
市内を走る通常の路線バスの運用に入っていた車が1台。残りの2台は児島駅と近隣にあるボートレース場との間を結ぶ無料バス向けの、ほぼ専用車とみられる。
そのため前後と横の方向幕は行先ではなく、緑地に白で「下電バス」と表記されたコマにセットされていた。
【画像ギャラリー】2026年1〜6月に見かけたアナログ方向幕付き大型路線車(12枚)画像ギャラリー























