高速道路の追い越し車線をずっと走り続けるクルマに、イライラした経験はないだろうか。交通の流れを乱し、ときには事故の原因にもなり得るこの行為。なぜ起こるのか、どんなクルマが多いのか、そしてどう対処すべきかを詳しく解説する。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock(トビラ写真:naka@Adobe Stock)
追い越し車線を走り続けるのは違反と理解していない?
高速道路の追い越し車線は、あくまで「追い越すための車線」である。道路交通法第20条でも「追い越しが終わったら速やかに走行車線へ戻ること」と定められている。しかし現実には、追い越し車線を走り続けるクルマが後を絶たない。
特に休日や大型連休中の高速道路では、右側車線が「実質的な走行車線」と化してしまう場面も見られる。これが原因で後続車が詰まり、イライラしたドライバーが無理な追い越しを仕掛けるなど、交通の安全性にも悪影響を及ぼしている。
追い越し車線の走りっぱなしは「車両通行帯違反」に該当する。違反点数は1点、反則金は普通車で6000円。重大な違反ではないものの、安全運転義務違反やあおり運転の引き金になりかねない迷惑行為である。
また、後方から迫る車両に進路を譲らない行為は、「追いつかれた車両の義務違反」という明確な違法行為に当たる。この「追いつかれた車両の義務」には、相手が速度違反をしているかどうかも、自分が制限速度を守っているかどうかも関係ない。追いつかれた以上、進路を譲る義務があるのである。この点を勘違いしているドライバーは非常に多い。
実際、あおり運転による重大事故の背景には、追い越し車線を塞ぐクルマが存在するケースも少なくない。自分が加害者にも被害者にもなり得る危険な行動であることを認識すべきだ。
追い越し車線に居座り続けるドライバーの心理とは?
では、なぜ追い越し車線に居座り続けるのだろうか。実際に追い越し車線へ居座ってしまったドライバーの声を紹介する。
例1:ミニバンに家族4人を乗せて会話が弾んでしまった
「家族4人で東北道を走行中、真ん中の車線を走っていましたが、前に遅いトラックがいたので追い越し車線へ移り、前を走る2台に追従していました。その後、後席の子どもとの会話に夢中になり、ルームミラーやサイドミラーで後続車を確認することを忘れ、そのまま走り続けてしまいました。走行車線を走っていたクルマが急加速で自分の前へ入ってきたことで、自分が後続車に迷惑を掛けていたことに気付き、慌てて走行車線へ戻りました」
例2:100km/hを超えて120km/h以上でも走っていいのでしょうか?
「東名高速から新東名へ入り、3車線道路の真ん中の車線を走っていました。途中で新東名の最高速度が120km/hだと気付き、追い越し車線へ移って120km/h前後で走行していました。しばらくすると大型セダンが後ろから迫ってきました。
追い越し車線を走っているとはいえ、こちらは最高速度の120km/hを守っています。このまま走っていても問題ないと思っていたところ、しびれを切らした大型セダンが左側から追い越していきました。新東名の最高速度は120km/hですから、追い越していったクルマは速度違反だったはずです。私は走行車線へ戻らなかったとはいえ、制限速度は守っていたので自分に非はないと思っています」
みなさんは、この2人のドライバーをどう思うだろうか。コメント欄に意見や実体験があれば、ぜひ書き込んでほしい。
追い越し車線に居座るケースは、大きく2つに分けられる。
1.意図的に居座るケース
制限速度ギリギリ、あるいは少し下の速度で「これが正しい」と考えて走るドライバーである。自分は速度違反をしていないという正義感が背景にあり、後続車が詰まっていても頑なに道を譲ろうとしない。
2.無意識のうちに居座るケース
ナビに集中していたり、運転に慣れていなかったりして、後方から迫るクルマの存在に気付いていないパターンである。特に軽自動車やコンパクトカーを運転する高齢ドライバーに多く見られる。
また、ユーザーのコメントにあったように、家族との会話に夢中になり、後方確認を怠ってしまうケースもあるだろう。近年ではACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)に頼り切った運転も増えている。ACCが設定速度で巡航している一方で、運転者が車線変更のタイミングを逃し、そのまま追い越し車線を走り続けてしまうことも一因となっている。



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