ホンダ車の象徴「タイプR」よりソフトなスポーツグレード、「タイプS」が海の向こうで大復活!?
ホンダのプレミアムブランドとなるアキュラは、米国で5月28日午後(日本時間29日未明)に、2代目モデルとなる次期TLXをインラインで発表した。
日本では、アキュラブランド車はNSXとレジェンドだけしか販売されず、それゆえほとんどイメージのないTLXとは、どのようなモデルなのだろうか。
以下、アキュラブランドのグレードとしては10年振りに、ホンダ車も含めるとアコード以来7年振りに復活した「タイプS」グレードの詳細とともに、永田恵一氏が解説する。
文:永田恵一
写真:Acura、Honda
【画像ギャラリー】まるで4ドアクーペ!? アキュラ新型TLXのスポーティな内外装
アコードのアキュラ版!? TLXの立ち位置は?
アキュラは、レクサスやインフィニティより早い1986年に米国で開業。当時は初代レジェンドとクイントインテグラというラインナップであった。
ホンダが米国で大人気のブランドということもあり、アキュラは顧客満足度1位になるなどしながら定着。2000年代に入り世界展開も始まり、日本でも開業が宣言されたもののリーマンショックによる景気低迷を理由に白紙となっている。
現在のラインナップは、スーパーカーのNSXをフラッグシップに、それぞれ大きい方からセダン系は「RL」(日本のレジェンド)、「TLX」、「ILX」(シビックのアキュラ版)、SUV系は「MDX」、「RDX」(CR-Vのアキュラ版)、「CDX」(ヴェゼルのアキュラ版、中国専売)の7車種だ。
TLXは、それまでの北米向けアコードのアキュラ版となる「TL」と、日本と欧州向けアコードのアキュラ版となる「TSX」を統合したプレミアムスポーツセダンとして2014年に登場。
そのため、ボディサイズは大きいが、米国市場ではレクサス IS、インフィニティ Q50(日本のスカイライン)、BMW 3シリーズなどがライバル車となる存在だ。
タイプSのエンジンは日本開発!? 新型TLXの特長
新型TLXは、全長4860mm×全幅1880mm×全高1410mm、ホイールベース2825mmというボディサイズを持つ、エンジン横置きのFFベース車。
開発は新しい3L・V6ターボエンジン(タイプSに搭載)だけは日本となるが、エンジン以外の開発はアメリカホンダ、生産もオハイオ州のメリーズビル工場と、アメリカ主導で開発されたモデルだ。
クルマの土台となるプラットホームは新設計とのことで、次期TLXのプラットホームはベンツがCクラスとEクラス、BMWが3シリーズと5シリーズといった具合にそれぞれの共用部分が増えているのと同じように、次期RL&レジェンドにも使われるのかもしれない。
新型TLXのスタイルは、現行レジェンド/RLに対し、スポーツセダンというコンセプトから、だいぶマッチングがよくなったように感じるペンタゴン(五角形)グリルを採用。
車両後方に行くに従ってルーフが若干傾斜するクーペルックのシルエットや太いテールパイプを強調したリア周りなど、スポーツセダンらしいアグレッシブなものとなっている。
ここ数年のホンダ車で採用例が増えているボタン式となるシフトを使うインテリアも、大きなセンターコンソールで運転席と助手席を明確に区切っている点など、スポーツセダンらしい雰囲気を強く感じる。
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