高速道路での逆走事故が後を絶たない。2011年~2015年9月までの間に、高速道路会社管内の高速道路で、事故または確保された逆走事案は916件にものぼるという。
そうしたなかNEXCO各社は逆走対策技術を民間企業に募集。100件の提案技術のなかから選定された28件の技術は、いったいどのように逆走を防ごうとしているのか? そして実用化に向けた日程は?
文:ベストカー編集部
写真:shutterstock.com、NEXCO東日本・中日本・西日本
初出:ベストカー2017年6月10日号
『2020年に逆走ゼロ実現』3つのテーマで対策技術を公募
国交省は「2020年までに高速道路での逆走事故ゼロ」を目指し、現在インターチェンジ・ジャンクション部などでの物理的、視覚的対策を進めている。
そして、その目標達成のさらなる推進の一環として、NEXCO東日本・中日本・西日本が、2016年11月22日から2017年2月10日まで、民間企業等からの逆走対策技術の公募を行った。
公募分野は
・「道路側での逆走車両への注意喚起」
・「道路側で逆走を発見し、その情報を収集する技術」
・「車載機器による逆走車両への注意喚起」
の3テーマ。3月23日選定された28の技術のなかから、特徴的な7作品を見ていこう。
創意工夫が詰まった逆走対策の数々
■ウェッジバンプ(大成ロテック)
舗装面にくさび型の非対称の段差(ウェッジハンプ)を設置。順走車両には走行に支障のない形状となっているが、逆走車両には振動と衝撃音で注意を喚起する。
■防眩板応用注意喚起(日本ライナー)
中央分離帯に設置する防眩板を十字形状にし「逆走中」等の文字を表示。逆走車両へ注意を喚起する。十字型の形状とすることで順走時や反対車線からの視認を防ぐ。反射板として設置することも可能。
■錯視効果を応用した路面標示(積水樹脂)
路面に明度の異なる多色表示で形状や文字を描き、逆走車両に立体的に見せることで、注意を喚起。順走車両からは視認されない。
道路埋め込み型にセンサーを使った技術も考案
■路面埋込型ブレード(ダイクレ)
路面に設置した突起物により逆走車両に衝撃を与え、物理的に警告(パンクはさせない)。順走車両が走行した際は突起物が回転して沈み込み、衝撃は与えない。
■プレッシャーウォール(JFE建材)
注意喚起の文言を記した大型壁材を両側の路肩に、順走車両の視界を塞がない角度で連続して設置し、逆走車両に圧倒的な存在感と威圧感を与えて、逆走を抑制。
■エアバルーンによる逆走警告(シーキューブ)
センサーカメラで逆走車両を検知すると、空気による膨張式の遮断機を展開し警告。順走車両にも同様の方法で逆走車の存在を伝える。
コメント
コメントの使い方