単なるパーツ交換とは訳が違う!? ホンダ渾身のNSXレストアプランの凄みと「他モデルへの波及」への期待!

単なるパーツ交換とは訳が違う!? ホンダ渾身のNSXレストアプランの凄みと「他モデルへの波及」への期待!

 初代ホンダ NSXのレストアサービス、「ホンダヘリテージワークス」が開始された。もちろん決して安い金額ではないが、すでに多くの注文が寄せられているようだ。今後、NSX以外の車種へのレストアサービスの計画はあるのだろうか?

※本稿は2026年6月のものです
文:ベストカー編集部 鈴村朋己/写真:ホンダ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年7月26日号

【画像ギャラリー】S2000、シビック、インテR……吼えろVTEC! ホンダの「アノ頃」名車、蔵出し写真をイッキ見!(23枚)画像ギャラリー

リフレッシュプランを超えた完全再生事業

シートは当時風の表皮で内装を張り替え、床面も刷新し新車の質感を限りなく再現
シートは当時風の表皮で内装を張り替え、床面も刷新し新車の質感を限りなく再現

 ホンダヘリテージワークスがもたらした革新は、単なる交換部品に留まらない。内装の表皮張り替えや修理、そしてアルミボディを素地まで戻して行うハンドメイドのホワイトボディ全塗装など、「修復して再生する」という本当の意味での『レストアサービス』へと昇華させたのだ。

 走る、曲がる、止まるの基本メニューでも1155万円から。外装・内装まですべてを施すトータルレストアとなれば、さらにその上をいく。

 決して安い金額ではない。しかも30年以上前の個体だ。バラしていくうちに「ここもダメ、あそこも壊れている」という事態は日常茶飯事で、実際の費用は基本料金の1.5倍近くになることも珍しくないという。

限りなく新車状態へ お客様とメーカーの「愛」

トランスミッションを分解調整して、外装品は新品へ。車体は素地まで剥離したホワイトボディから、職人が手作業で丹念に厚く全塗装して仕上げていく
トランスミッションを分解調整して、外装品は新品へ。車体は素地まで剥離したホワイトボディから、職人が手作業で丹念に厚く全塗装して仕上げていく

 それでも、ファクトリーの予約枠はすでにいっぱいに埋まっているそうだ。事故さえしていなければ、初代NSXのボディはアルミ製のため錆びておらず、フレームの修復に時間を取られない強みもあるが、何よりオーナーの愛が深い。

 「本当にお客さんには感謝しかない」とスタッフ。

 「たまにパーツが高すぎるぞなんて冗談を言われることもあります(笑)。でもその裏にはクルマへの愛情があふれている。一言苦言を呈したいだけで、最後には『本当にありがとう、感謝です』と言ってもらえる。こんな濃密なコミュニケーションができる部門は、珍しい」とスタッフは口を揃える。

 子会社や販売店に委託するわけではなく、ホンダ技研工業という「メーカー本体」が直接レストアを行うからこそ、当時の性能と質感にこだわる。

 現場の核にあるのは「事業を軌道に乗せ、この尊き文化を未来へ繋ぐ」という創設陣の不退転の決意だ。

 オーナーさんが「頼むから継続してくれ」と願う果てなき航海。旧きを興すために新技術を注ぎ込む挑戦は、わたしたちが飢えていた「熱きホンダ」の完全復活そのものであり、この物語はさらなる加速を続けていくことになる。

10年20年先を見据えて事業を継続していく使命

NSXには及ばないものの、S2000やビート、シビックタイプR(EK9型)の現存率は非常に高い
NSXには及ばないものの、S2000やビート、シビックタイプR(EK9型)の現存率は非常に高い

 取材の最後、多くの人が気になっているであろう質問を投げかけた。今後、S2000やビート、歴代のシビックタイプRといった、ほかのスポーツモデルへの横展開の可能性はあるか。

 すると、彼らは少し困ったような、しかしちょっぴり嬉しそうな表情を浮かべて答えてくれた。

 「現時点で具体的な計画をお伝えすることはできません。ただ公式ホームページに設けた部品復刻要望フォームには、すでに多くのオーナー様から熱い長文のメッセージが届いています。

 特にS2000などは、車検を通すために必要なパーツが出なくて困っているという悲痛な声が多く、市場の実態は痛いほど把握しています。私たちは、NSXだけをやればいいとは決して思っていません」と嬉しい言葉を聞けた。

ホンダヘリテージワークスのメンバー。左から遠藤靖さん、加藤諒さん、小池郁夫さん。ホンダらしい3人だった
ホンダヘリテージワークスのメンバー。左から遠藤靖さん、加藤諒さん、小池郁夫さん。ホンダらしい3人だった

 実際ホンダヘリテージサービスが発足する際のプレスリリースにも、将来的には他の旧型スポーツタイプの車種にも対象を広げていく予定と記載されている。

 かつてはビートやS2000のパーツを復刻すると謳いホームページを立ち上げながら、いつの間にかクローズしてしまった過去もある。「ホンダは継続性がない、熱しやすく冷めやすい」。市場からはそんな厳しい声が絶えなかったのも事実だ。だからこそ、スタッフたちの想いは熱い。

 「とにかく、継続していくこと。事業としてしっかりと収支を成り立たせ、安定したビジネスとして5年、10年、20年と長く続けていくこと。それこそが、私たち創設メンバーに課せられた最大のミッションだと思っています」。

【画像ギャラリー】S2000、シビック、インテR……吼えろVTEC! ホンダの「アノ頃」名車、蔵出し写真をイッキ見!(23枚)画像ギャラリー

次ページは : 後世に受け継がれる本田宗一郎イズム

40秒で完了!グーネット買取のかんたん車査定 ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

カプチーノ復活説急浮上!!「ベストカー 8月26日号発売!」

カプチーノ復活説急浮上!!「ベストカー 8月26日号発売!」

ベストカー8.26号 定価 590円 (税込み)  ようやく東京でも梅雨が明け、いよいよ本…