2026年5月に登場したトヨタ ランドクルーザーFJ。兄貴分の250や300とは異なり、パートタイム4WDを採用する“小さなランクル”だ。コンパクトなボディは本格的な悪路でどんな武器になるのか。急勾配や深いわだち、モーグルが待ち受けるオフロードコースで、その実力を確かめた。
※本稿は2026年6月のものです
文:梅木智晴(ベストカー本誌)/写真:奥隅圭之、トヨタ
初出:『ベストカー』2026年7月26日号
パートタイム式4WDのランクルFJは特別な「儀式」アリ!?
シフトレバー右側方のダイヤルスイッチを右にワンクリック捻って「H4」に合わせる。兄貴分のランクル250や300はフルタイム4WDだから、オンロードからオフロードへ入る時も、特別な切り替えや操作は必要ない。
パートタイム式4WDのFJでは、それはもしかしたら「ひと手間」なのかもしれないが、“さあ、これからお前の本領を発揮してもらうぞ”と対話して、オフロードへ乗り込んでいく心構えをドライバーとFJで共有させてくれる。そんな瞬間を感じることができる楽しさがある。
オフロードコースはステアをフルに切るようなタイトな悪路が続く。同行した250だと進入ルートを慎重に見極める必要があるようなタイトターンも、FJだとするりと通過できる。250よりも350mm短い全長は、狭い悪路では思った以上に取り回しで差が出ると実感する。
乾いた土に小石がのったとても滑りやすい25度の急勾配。路面には大きなわだちの凹凸がある。
ここで切り替えダイヤルを押し込みながらさらに右にワンクリック捻ると「L4」モードとなる。70やジムニーのように力を込めてレバーを押し込むようなことはなく、カチャリと指先で捻るだけでいい。タフな雰囲気のFJだけど、案外とっつきやすさもある。
ゆっくりと車体を進める。右前輪が深いわだちに入る。ノーズが右斜め前方に沈み込む。左後輪のサスが伸びるが、リジッドアクスルの強みで右後輪を路面に押し付ける。かまわずアクセルを踏みつける。
一瞬、左前輪が空転する兆候を感じ取ったが、アクセルを戻すことなく、すかさず空転は止まりジワリとトラクションを回復した。
小さくても走破力は本物! FJは紛れもないランクルだ
VSCと統合制御するA-TRCの効果を実感。空転輪にブレーキを作動させることで空転を抑え、接地輪の駆動力抜けを抑制する。FJには前輪デフロックは装着されないが、疑似的なLSD効果が得られることで、悪路走行に不慣れなドライバーでも安心して走破できた。
このような深い段差のある凹凸路では、ホイールベースの長い250や300に対し、FJはどうしても対角輪での接地抜けが起こりやすくなるのだが、回転半径も小さく、オーバーハングも短いため機動力は高い。
路面の凹凸を見極めて各輪の接地点を逃さないように走行ラインを選べば、足自体はしなやかに伸び縮みするので、グリグリと走り進めることができる。
2.7L、直4ガソリンエンジンのレスポンスはよく、トルク不足を感じる場面は、今回の走行シーンではなかった。
急勾配を登り切ってタイトターンを左に曲がると下り急勾配だ。DAC(ダウンヒルアシストコントロール)をONにすると“ガガッ、ガガッ”とブレーキ制御の音を響かせながら1~2km/hの極低速を維持しながら安定した姿勢で急坂を下っていくので、ステア操作に集中することができた。
250や300とは異なるラダーフレームを採用するFJに対し「はたしてランドクルーザーなのか?」と疑問視する声が一部である。
が、今回試したように、岩場や凹凸の連続するモーグルセクションをも難なく走破する実力は高く、国内の狭い山岳路でも取り回しやすいFJは、まごうことなくランドクルーザーだ。
【画像ギャラリー】小さいランクルめちゃくちゃ頼もしいじゃん!! 「ランドクルーザーFJ」が急坂をグイグイ登る姿を一挙に(20枚)画像ギャラリー






















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