中古車の価格が上昇中だという。「初めてのクルマは中古車で、なるべく安く」というセオリーも、今は思うに任せないようだ。モノの値段は買い手が多くなると上がるようにできている。では現在、中古車を欲しがっているのは誰なのか!?
※本稿は2026年6月のものです
文:角田伸幸/写真:ホンダ、スズキ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2026年7月10日号
中古軽自動車も100万円時代
中古車の高騰が止まらない。これまでクルマ好きにとって、100万円台で中古車を探すのは、ひとつの入門儀式のようなものだった。ところが今、その100万円台の個体がどんどん遠ざかっている。
根っこにあるのは円安と海外需要だ。日本の中古車は整備状態がよく、距離を走っていてもまだまだ元気な個体が多い。そこへ円安が重なれば、海外バイヤーにとっては「日本車バーゲンセール」のようなもの。
中古車相場の熱さは、USSの平均落札価格にも表れている。2026年2月には成約車両の平均落札価格が138万円と過去最高を更新。2025年度の平均落札価格も125万5000円で、2020年度比で6割高、2015年度比では9割近く高い水準だ。(USS……日本最大規模の中古車オークション運営企業)
世界での国産車需要は軽自動車にも及ぶ
具体的にどこが買っているのか。新車の輸出規制が続くロシア、さらに2025年、中古車輸入を5年ぶりに解禁したスリランカも有力な買い手だ。仕向け地別ではUAE(アラブ首長国連邦)が首位となっており、中東向け需要も大きい。
その影響は身近な車種にも及ぶ。ミニバンやSUVはもちろん、軽自動車でさえ100万円を超える取引が目立つようになった。もはや小型車も「安く買える実用車」とは言いづらい。
もちろん、悪い話ばかりではない。今乗っているクルマを売る人にとっては、下取りや買い取りが高くなるありがたい局面でもある。年式の古いクルマにも価値がつき、自動車産業を下支えする面はある。
だが、安価にクルマを手に入れたい人にとっては大きな障害だ。初めての一台を探す若者、地方で生活の足として必要な人にはかなり厳しい。中古車高騰がこのまま続けば、若年層のクルマ離れにつながらないか。ちょっと心配なのである。
【画像ギャラリー】えっ「中古の軽」でも100万円超え!? 高騰が止まらない中古車市場のいまを見る(16枚)画像ギャラリー


















コメント
コメントの使い方