2026年7月28日に発売されたBYDの軽EV「ラッコ」は、前輪だけでなく後輪にもディスクブレーキを採用した。軽自動車では前輪ディスク、後輪ドラムが定番だけに、これはかなり珍しい構成。しかも最上級車だけでなく、214万5000円の200を含む全車に標準装備する。その狙いはどこにあるのか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、BYD
【画像ギャラリー】後輪ディスクブレーキに恐るべき航続距離……でも中身はどうなの!? ウワサのラッコの運転席がコレ!!(14枚)画像ギャラリー軽自動車の後輪にドラムブレーキが多いワケ
軽自動車は、前輪にディスクブレーキ、後輪にドラムブレーキを組み合わせる場合が多い。ブレーキをかけると荷重が前方へ移り、前輪側が大きな制動力を受け持つため、後輪はドラム式でも十分という考え方だ。
ドラムブレーキは小さな力で大きな制動力を得やすく、駐車ブレーキとの相性もいい。製造コストを抑えられるうえ、軽量な軽自動車なら性能的にも不足なし。日産サクラや三菱eKクロスEVなど、国産軽EVも前輪にベンチレーテッドディスク、後輪にドラム式を採用する。
対するラッコは、前輪に放熱性を高めたベンチレーテッドディスク、後輪にもディスクブレーキを採用。軽自動車では珍しい4輪ディスク仕様だ。ちなみに過去の軽スポーツカーなどにも採用例があり、「軽自動車初」ではない。それでも家族向けのスーパーハイトワゴンで、全グレードに標準装備した点は異例だ。
重いEVだからこそ止まる性能にも余裕を持たせた
ディスクブレーキの強みは、熱を逃がしやすく、繰り返しブレーキを使っても性能が変化しにくいこと。水分も排出しやすく、雨天時にも安定した効きと自然なペダルタッチを得やすい。
ラッコはBYD公式サイトでも、4輪ディスクによって「雨の日や荷物が多い坂道でも、踏んだ分だけ確実に止まる安心感」を提供すると説明する。背の高いボディに大容量バッテリーを積む軽EVだけに、人や荷物を載せた場面まで考えて制動性能に余裕を持たせたと考えられる。
EVにはモーターを使って減速し、電力を回収する回生ブレーキがある。しかし、急ブレーキ時や低速域、バッテリーの状態によっては、通常の摩擦ブレーキが重要な役割を担う。回生があるから物理ブレーキは簡素でいい、とはならないのだ。
もちろん、4輪ディスクだから必ず制動距離が短くなるとは限らない。タイヤやABS、車重、路面状況も大きく影響する。それでも見えにくい後輪ブレーキにまでコストをかけた姿勢は立派。ラッコの本気度は、足元にも表れている。
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