百害あって一利なし! 自動車事故時の個人間示談を絶対に避けるべき理由

百害あって一利なし! 自動車事故時の個人間示談を絶対に避けるべき理由

 どれだけ安全運転を心掛けていても、自動車事故はある日突然起こるものです。事故直後は気が動転し、冷静な判断が難しくなることも少なくありません。そのような状況で、「これくらいなら大丈夫」と個人間示談を選んでしまうケースは現在でも見受けられます。しかし、その判断が後々大きなトラブルにつながることも。なぜ、個人間示談は避けるべきなのでしょうか。実際の事例を交えながら、その理由と事故後に取るべき対応について一緒に考えていきましょう。

文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部、AdobeStock、ホンダ

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「現金で済ませましょう」が危険な理由

個人間示談を行ってしまうことで早く処理しようとしていたのに結局は長引いてしまう事案もある。(AdobeStock_171129161)
個人間示談を行ってしまうことで早く処理しようとしていたのに結局は長引いてしまう事案もある。(AdobeStock_171129161)

 Bさんは、駐車場で軽い接触事故に遭いました。相手は、「保険を使うと等級が下がるので、現金で対応したい」と提案。傷も小さく見えたことや対応が長引くことが面倒なので、その場で個人間示談に応じることにしたのです。

 ところが、修理工場で車両を点検すると、外からは見えなかった内部部品にも損傷が見つかり、修理費は当初の想定を大きく超える金額になりました。追加費用を相手へ伝えたものの、「最初に聞いていた金額しか払えない」と支払いを拒否され、悩んだBさんは自身の保険会社へ連絡。車両保険に加入していたため示談交渉をしてもらえたものの、解決まで長い時間を要することになったのです。

事故直後には見えないリスクが潜んでいる

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事故直後は車両だけでなく、人のけがもどの程度か詳細に把握することはできないため、第三者を含めた解決が最も安全。

 自動車による事故直後は、車両の損傷状況や修理費を正確に把握することはできません。人のケガも同様で、事故当日は症状がなくても、翌日以降に首や腰の痛みが現れるケースもあります。

 また、道路交通法(72条1項後段)では交通事故が発生した場合、警察への届け出(事故報告)をしなければならないと定められています。届け出をしなければ事故証明書が発行されず、後から保険を利用したいと思っても手続きがスムーズに進まない恐れもあるのです。

 「これくらいなら大丈夫」という判断が、結果として大きな負担につながることもあるため、その場で個人間示談を約束することは避けるべきです。

 さらに、個人間示談のトラブルは、修理費だけではありません。事故対応では、何気ない一言が思わぬ誤解を招くこともあります。例えば、正面衝突事故の直後に発した「すみません」という一言が、相手に過失を認めたと受け取られ、「100対0であなたが悪い事故だ」と主張されるケースもあります。 

 もちろん、「すみません」という言葉が直ちに法的な責任を認めることにはなりません。しかし、事故直後はお互いに冷静さを欠いているため、自分に都合よく解釈される可能性があります。

 事故現場では、その場で過失割合について話し合ったり、「こちらが悪かった」と受け取られるような発言をしたりすることは避けなければなりません。事実確認や過失割合の判断は、警察や保険会社など第三者を交えて進めることが大切です。

事故後こそ冷静な対応を心がけよう

事故が起きてしまったらまずは救護実施と安全を確保してから、警察に通報するなど適切な順番で対応をしていくことがベストだ。
事故が起きてしまったらまずは救護実施と安全を確保してから、警察に通報するなど適切な順番で対応をしていくことがベストだ。

 事故が起きたら、まずは負傷者の救護と安全確保を最優先に行い、警察へ通報しましょう。その後、加入している保険会社へ連絡し、今後の対応について相談することが基本です。

 これはクルマ同士の事故だけではありません。ガードレールや標識、電柱などを壊した自損事故では管理者への連絡が必要です。店舗や住宅、ブロック塀など他人の財物を損傷した場合も、保険会社を通じて対応を進めることが重要となります。

 また、相手の氏名や連絡先、車両番号を確認し、事故現場や損傷箇所を写真で残しておくことも、その後の手続きを円滑に進めるために必要な手続きです。ドライブレコーダーの映像も、上書きされる前に保存しておきましょう。

 事故直後は冷静な判断が難しいものです。だからこそ、個人間示談を選ばず、警察への届け出と保険会社への連絡を優先することが必須です。的確な判断や対応を心がけ、安心して事故を解決する第一歩につなげましょう。 

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