兵庫県の淡路島。1960年代に鉄道が姿を消して以降、路線バスが屋台骨となって島内の公共の足を支え続けている。最近の淡路島のバス事情はザックリどんな感じなのか、2026年夏にちょっと現地へ様子を見に行ってきた。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに淡路交通のバスの写真があります)
■淡路島のバスの代表格・淡路交通
淡路島の島内を走る路線バスのうち、代表格といえる事業者が、1914年に鉄道会社として設立、買収を経て1934年から路線バスの営業運転を始めた名門・淡路交通だ。
淡路交通では、まず島内〜神戸/大阪間と、島内〜徳島間の各種高速バスを運行しており、こちらは本州・四国と淡路島との間を取り持つ重要な交通手段となっている。
高速バスの路線によっては、淡路島の主要都市だけでなく、島を南北に少し蛇行するようにしながら縦断している高速道路の、E28神戸淡路鳴門自動車道の各インター前バス停に立ち寄るものがあり、島内の細かな各所への足がかりとしても役立ってくれる。
島内完結型の一般路線バスに注目すると、2026年夏時点では島内全域に路線網が広がっているというわけではなく、島の北半分と最南端部分を除いた、南側のエリアをカバーしている感覚。
地名で書くと、おおむね上が津名港(淡路市)、下は福良(南あわじ市)までの範囲といったところで、この間の東側には淡路島で最も規模の大きい都市である洲本(洲本市)が位置している。
淡路交通の路線網がないエリアについては、さすがに島内を“網羅”とまでは行かないかも知れないが、市営などのコミュニティバス系が補完している。
■淡路交通のバス車両ラインナップ
続いて、淡路交通で現在活躍中の車両ラインナップを簡単に見てみよう。高速バス/一般路線バスともに、白地にパステル調の青いラインを組み合わせたカラーリングでまとめられていて、ひと目で淡路交通の乗合バスだと分かる。ちなみに淡路島の自動車は神戸ナンバーだ。
島外とのアクセス役である高速バスには、他の地域やバス事業者とほぼ同様に、長さ12mクラスの大型ハイデッカー車が使われている。
車種のほうはどうなっているか……島内(と神戸のあたり)で見かけた淡路交通の高速バス車両については全部と言ってよいほど、いすゞ製「ガーラ」であった。2010年代後半に新車導入されたものが多いようだ。
定期運行の高速バス向けということで、車外前面と横のLED行先表示器をはじめ、車内の運賃表示器や降車ボタンなど、乗合バスの設備を組み込んだ、俗に言う高速車パッケージとなっている。
■中型・大型の2種類を使い分け
島内各所を結ぶ一般路線バスでは、長さ9m・幅2.3mクラスの中型路線車と、長さ10.5m・幅2.5mクラスの大型路線車の2種類が、路線系統ごとの利用率に応じて使い分けられている模様。
車種は中型がいすゞ製「エルガミオ」、大型もいすゞ製「エルガ」で、島内で乗ったり見かけたりした路線車は、エルガミオかエルガのどちらかで、どうやら現状この2車種に厳選されているらしい。
エルガミオ/エルガともに、2000年代終盤〜2010年代中頃に新車導入されたワンステップ車がほとんどとみられ、時期的にはヘッドランプを縦に2つずつ配置した、角目4灯ライトのバリエーションにあたる。
淡路交通といえば、昔からいすゞ製の車がよく選ばれていたのに加え、他のバス会社から移籍してきた再就職組の車がいないのが特徴。新車導入も路線バス車両ではここ10年ほどの間は行われていないそうだ。
最近の高速車/路線車合わせて、乗合用=いすゞ車かつ年代の近いバリエーションが揃い、なんともキレイな統一感があるのも、そういった同社のカラーが色濃く出ていると思えば、より自然に映るかもしれない。
ほかに貸切バス向けや、一部の連絡バス用に使われる車には三菱車が在籍しているようであるが、訪問中の限られた時間内に楽しめた分に関しては、淡路交通の乗合バス車両群が織りなす「いすゞ車づくし」なバスの風景がとりわけ印象に残った。
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