全高の高いミニバンは、横風や高速走行時のふらつきに悩まされることが多い。そこで、筆者が北海道・士別発祥の空力パーツ「士別フィン」を愛車のノアに装着してみたところ、体感できるレベルで走りが変わった。その効果をレポートする。
文:佐々木 亘/写真:トヨタ
【画像ギャラリー】さりげないパーツでも効果あり! 実際にノアに士別フィンを付けたら走りが大きく変わった件(7枚)画像ギャラリーミニバン特有の「ふらつき」に悩まされていた
筆者の愛車は90系ノアだ。広い室内空間とスライドドアの利便性には満足しているが、以前から気になっていたのが高速道路や横風の強い橋の上での挙動だ。全高が高くボディ側面の面積が大きいミニバンは、風の影響を受けやすい構造になっている。ステアリングを常に微修正しながら走る感覚が続くと、長距離運転の疲労は想像以上に蓄積してしまう。
この悩みを解消できないかと調べているうちにたどり着いたのが、渦発生装置いわゆるボルテックスジェネレーターの一種である「士別フィン」だった。このパーツは、車両の底の部分に小さな突起のあるパーツを指定箇所へ貼り付けることで、空気の流れをコントロールし、走行安定性を高めるというものだ。
空気の流れを「整える」というシンプルな原理
士別フィンの仕組みは、決して複雑なものではない。クルマが走行するとき、ボディ表面には空気の流れが発生するが、車両後端付近や車体下部では気流が剥離しやすく、これが車体の後方で乱流を生む。この乱流こそが、高速走行時のふらつきや直進安定性の低下につながる要因のひとつとされている。
フィンを貼ることで、車両の下や後方の気流が整い、走行安定性が向上するというものだ。この安定性は科学的にも証明されており、決して眉唾な理屈ではない。
取り付けは拍子抜けするほど簡単だった
実際に取り寄せて装着してみると、その手軽さに驚かされた。フィン自体は1本の長いパーツになっており、これを切り取って使っていく。数センチ角の小さな樹脂パーツで、裏面には強力な両面テープが貼られているものだ。取り付け位置はエンジン底部のカバーやサイドメンバー付近など車種によって様々。車体自体のリフトアップは必要になるが、脱脂さえしっかりと行えれば、専門技術が無くとも作業はできそうな雰囲気だった。
見た目の主張は極めて控えめ。なにせ、ボディ下部に付いているので、普段は目につかない部分になる。ドレスアップというよりは機能パーツとしての性格が強く、「クルマをいじりたくても家族の目があって…」などというユーザーにもおすすめできる一品。ノアのようなファミリー向けミニバンのイメージを崩さずに導入できる点も好印象だった。
高速道路での体感は「想像以上」だった
装着後、最初に効果を実感したのは高速道路での巡航中だった。以前であれば強い横風を受けるたびに車体がわずかに振られ、ステアリングで修正する必要があったが、フィン装着後はその揺さぶられる感覚が明らかに減っている。完全になくなったわけではないが、修正舵の頻度と量が体感でも分かるレベルで少なくなった。
また、高速走行時の直進安定性にも変化があった。以前は速度域が上がるほどステアリングの座りが曖昧になる印象があったが、フィン装着後はその曖昧さが薄れ、より落ち着いた姿勢で走れるようになった。もちろん劇的に別のクルマになったというほどの変化ではないが、長距離運転における疲労感の軽減という点では、間違いなく効果を感じている。
全高が高く風の影響を受けやすいミニバンだからこそ、こうした空力パーツの効果は体感しやすいのだと思う。セダンやスポーツカーであれば元々の空力性能が優れているため、フィン装着による変化を感じにくいケースもあるだろう。しかしノアのようなヴォクシーなボディ形状を持つミニバンにとっては、気流の乱れを整える効果がダイレクトに走行安定性へとつながる。
費用も工具も最小限、リスクもほとんどない。ふらつきに悩むミニバンオーナーであれば、一度試してみる価値は十分にある純正オプションだった。
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