全幅1575mmで軽自動車ではない!! スーパーワンがワイドボディを選んだ理由

全幅1575mmで軽自動車ではない!! スーパーワンがワイドボディを選んだ理由

 見た目はN-ONE e:の兄弟車だが、スーパーワンは黄色ナンバーの軽EVではない。全幅1575mm、全長3580mmの小型EVである。取り回しや維持費で有利な軽自動車規格を、ホンダはなぜ飛び出したのか。100mmの拡幅に込められた狙いを読み解く。

文/写真:ベストカーWeb編集部

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全幅100mm増でも室内幅は変わらない

N-ONE e:と並べてみるとそのつくりの違いがよく分かる
N-ONE e:と並べてみるとそのつくりの違いがよく分かる

 軽自動車のボディサイズは全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下。対してスーパーワンは3580×1575×1615mmだから、全幅だけでなく全長も軽規格を超えている。

 ベースとなったN-ONE e:は3395×1475×1545mm。つまりスーパーワンは全長が185mm、全幅が100mm拡大されたことになる。

 ここで注目したいのが、主要諸元に記載された室内幅だ。N-ONE e:もスーパーワンも1300mmで変わらない。ワイドボディは、乗員のために室内を広げた結果ではないのだ。

 拡幅分が使われたのは主に足まわりと外装である。トレッドはN-ONE e:から40mm広い1345mmとなり、タイヤも155/65R14から185/55R15へ大幅にワイド化。張り出したブリスターフェンダーがそれを包み込み、見るからに踏ん張りの利きそうなスタンスを作っている。

軽規格を捨ててでも「操る喜び」が欲しかった

スーパーワンはBOOSTモードやパドルシフト、疑似変速ショックなどが楽しさの要素として話題になったが、ワイドトレッド化による走行性能の向上もクルマを走らせる悦びに寄与している
スーパーワンはBOOSTモードやパドルシフト、疑似変速ショックなどが楽しさの要素として話題になったが、ワイドトレッド化による走行性能の向上もクルマを走らせる悦びに寄与している

 開発陣は、軽自動車の車幅と最高出力の枠内では、目指す楽しいクルマに限界があったと明かしている。そこでN-ONE e:の実用的なパッケージを残しつつ、軽規格の外へ踏み出した。

 スーパーワンは通常時47kW、BOOSTモード時には70kWを発生する。その力を安心して路面へ伝える土台が、ワイドトレッドと185幅タイヤだ。床下バッテリーによる低重心、1090kgの軽量ボディも組み合わされ、旋回時や高速走行時の安定性を高めている。

 もちろん代償はある。最小回転半径はN-ONE e:の4.5mに対して5.2mとなり、軽自動車ならではの小回り性能や税制上の利点も手放した。それでも全幅1575mmなら、登録車としては十分にコンパクトだ。

 つまり、この100mmは車内のぜいたくではなく、走りのためのぜいたく。スーパーワンは「大きなN-ONE」ではない。軽自動車生まれの実用性に、登録車だから可能になった足腰とパワーを与えた、小さなスポーツEVなのである。

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