オランダを本拠とする世界的な商用車メーカーのDAFと、スウェーデン発の自動運転企業・アインライドがパートナーシップを結んだ。DAFのバッテリーEVにアインライドのレベル4自動運転システムを搭載する。
車種を問わずにシステムを搭載するため、インターフェースを確立することも目指すといい、人間のドライバーが乗らずに無人で運行するトラックを大規模に商用化する上で重要なステップとなる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/DAF Trucks N.V.・Einride AB
DAFとアインライドが「レベル4」自動運転トラックを共同展開
スウェーデン発のスタートアップで自動運転トラックを開発しているアインライドABと、オランダの大手トラックメーカー・DAFトラックスは2026年8月12日、共同イニシアチブを発表した。
DAFのプレミアムな車両プラットフォームに、アインライドの自動運転システムである「アインライド・ドライバー」を統合するという。
トラックドライバー不足と物流コストの増大は世界的に課題となっており、「SAEレベル4(L4)」の自動運転技術はその解決策の一つと目される。今回の提携のように、技術力を持ったスタートアップと大手トラックメーカーの協力は、大規模商用化に向けた重要なステップだ。
L4は一定の条件下でシステム(車両)が主体となって自律的に運転タスクをこなす高度自動運転機能を指し、領域を限定すれば人間による介入が不要となる水準を表す。実現すれば、経験豊富なドライバーはその専門性を活かせる分野やより利益率の高い業務に集中でき、担い手不足の物流業界の課題を解決する可能性を秘めている。
両社はパートナーシップの最初の一歩としてオランダの応用科学・イノベーションにおける独立研究機関であるTNOの専門家と協力し、DAFのバッテリーEV(BEV)トラックに、アインライドの自動運転システムを統合するための試験を行なう。
さらに、安全で拡張性の高い自動運転を実現するためのインターフェースを確立することも目指す。
自動運転システムを車両固有の機能とせず、車種を問わずに拡張できることは商用化を進める上で不可欠とされ、技術的に先行する米国や中国も実証を進めている。「規格化」においては欧州メーカーに一日の長があり、自動運転用の共通インターフェースなどを通じて逆転する可能性も残されている。
TNOの支援のほか型式認証機関とも緊密に連携し、運用を公道まで拡大することを目指す。初期試験と検証は2026年中、自動運転システムの統合と運用開始は2027年を予定しており、その後、インターフェースの検証と機能試験を行なう計画だという。
両社の「自動運転」戦略
DAFは米国のパッカーグループに所属しており、パッカーは北米自動運転車プラットフォーム(AVP)プログラムを通じて様々な取組を進めている。今回のイニシアチブと並行して、フルスタックの自動運転技術を提供する別の企業とも提携する。
これは物流分野のソフトウェア定義型ソリューションの進化を反映したものでもあり、プログラムを通じて得られる知見はDAFの開発を加速する機会となる。
アインライドの最高技術責任者(CTO)を務めるヘンクリク・グリーン氏は次のようにコメントしている。
「DAFが長年培ってきたトラック製造における卓越した経験と、市場での強みを活用することで、アインライドの自動運転技術をグローバルに展開することができます。この提携を通じて、弊社の自動運転技術は車種を問わないことを証明します。これは安全で拡張性の高いレベル4自動運転を商業規模で展開する上で重要な一歩です」。
いっぽう、DAFの取締役兼チーフエンジニアのイェロン・ファン・デン・オエテラール氏は次のように話している。
「DAFのコミットメントは、革新と物流の未来に向けた取組であり、今回の提携はそれを証明するものとなります。弊社のプレミアムなトラックに、最先端の自動運転技術を組み合わせることで、より効率的かつ持続可能な物流のエコシステム構築に向けて積極的な役割を果たします」。
ダフは車両総重量12トン級の「XBエレクトリック」から長距離輸送用の「XG/XGプラス・エレクトリック」までフルレンジでBEVトラックを提供している。「XD/XFエレクトリック」ともDNAを共有するこれらの車両は、2026年の「インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、高い効率、スムーズな駆動系、優れた運転快適性などが国際的にも高く評価されている。
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