フィットの大きな武器は、コンパクトカーとは思えない室内と荷室の広さだ。その秘密が、燃料タンクを前席下へ置くセンタータンクレイアウト。初代から受け継がれてきたホンダ独自の発想は、2026年型でも健在だ。荷室最大幅1150mmを実現した空間設計のスゴさを見ていこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:
【画像ギャラリー】コンパクトカーとしてもすごいけど……フィットにはセダンもあった!! なつかしのフィット アリアの蔵出しショットを大公開!(9枚)画像ギャラリー燃料タンクを前席下へ移して後ろ側を自由に!!
一般的な乗用車は、燃料タンクを後席の座面下付近に配置する。ところがフィットは、それを前席下へ移動。2001年に登場した初代から採用するのが、センタータンクレイアウトだ。
燃料タンクが後席下にないため、後席と荷室の床を低くできる。2026年型のe:HEV Zでは、荷室開口部の地上高が610mm。重いスーツケースや大型クーラーボックスを高く持ち上げなくても積み込みやすい。
開口部の高さは760mm、荷室最大幅は1150mmを確保。左右への張り出しが抑えられ、箱型の荷物を収めやすい空間となっている。単に容量が大きいだけでなく、低く、広く、形も使いやすいのがフィットの荷室だ。
全長はXで3995mm、ZやRSで4080mm、全幅はいずれも1695mm。取り回しやすい5ナンバー幅を守りながら、室内長1955mm、室内幅1445mm、室内高1260mmを実現する。外から見た以上に中が広いという、フィットらしさの土台になっている。
後席の座面を跳ね上げられるのもタンク配置のおかげ
センタータンクレイアウトの恩恵は、通常の荷室だけではない。後席下から燃料タンクを追い出したことで、後席の座面を上へ跳ね上げられる独自のシートアレンジが可能になった。
トール・モードでは、後席座面を左右別々に跳ね上げ、床から天井まで使える背の高い空間を作れる。鉢植えや観葉植物など、横倒しにしたくない荷物をリアドアから積めるのが便利だ。濡れたアウトドア用品やベビーカーの置き場としても使いやすい。
いっぽう、後席の背もたれを前へ倒すユーティリティー・モードでは、低くフラットな大容量荷室が出現。ワンアクションで格納でき、26インチ自転車も積載可能だ。さらに助手席まで倒すロング・モードなら、長尺物にも対応する。
しかも、こうした使い勝手はガソリン車だけの特権ではない。エンジンと2つのモーター、駆動用バッテリーを搭載するe:HEVでも、多彩なシートアレンジを維持している点が立派だ。
SUVでもミニバンでもない小さなハッチバックなのに、人も荷物も無理なく載せられるフィット。センタータンクレイアウトは登場から四半世紀近くがたっても古びない。それどころか、コンパクトカーに広さと多用途性が求められる今こそ、価値が際立つ技術なのだ。
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