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入手困難なフロントフォークのインナーチューブは再メッキ処理で修理

配信元:WEBIKE
入手困難なフロントフォークのインナーチューブは再メッキ処理で修理

1970年代末から1980年代と言えば、各バイクメーカーから様々なモデルが発売された。時はまさに「バイクブーム」真っ只中!!その影響で、多種多彩なモデルが矢継ぎ早に発売されたことでも知られている。逆にその分、数多くのモデル用補修部品が、もはや入手困難となっている。ここでは「フロント23インチ」がアイコンだったホンダのオフロードバイク、XL250Sのフロントフォークを分解修理。入手困難なインナーチューブなので、再生ハードクロームメッキで仕上げ、修理に取り組んでみた。

文/たぐちかつみ

安定した走りがオフロードファンの心を掴んだ前輪23インチ仕様のホンダXL250S



1978年モデルとして登場したホンダXL250Sの初期型がメンテナンス車両。樹脂製メーターのデザインは前方後円墳的でもあった。前輪23インチのハンドリングは安定志向で、オフ車ファンのツーリングライダーには圧倒的な人気を誇った。

新品部品以上の輝きを放つ「再生ハードクロームメッキ」仕上げ 



再生依頼時(受注時)と仕上がり時(納品前)を比較した精度管理表も貼付納品されるので安心だ。チューブの曲がりを点検修正した後に、サビが無くなるまで円筒研磨され、その後、再生メッキが施される。



再生ハードクロームメッキ直後はツヤ無しシルバーに仕上がるが、メッキ膜厚の中で精密研磨処理が施されてピカピカに輝く。エッジ部分の研磨もしっかり行われ、バリなど一切ない。この仕上がりは素晴らしい!!

取材協力/東洋硬化 www.toyokoka.com

構造はシンプル、手持ちに無かった工具はアイデアで解決 



手磨きでも使えないことは無いコンディションのインナーチューブだった。しかし、ステムクランプ部周辺にピンホールサビがいくつもあり、メッキ層が薄くツヤも無い印象だったので、再生ハードクロームメッキで復活させる。



フロントフォークのトップボルトは17mmのヘキサゴンソケットタイプだった。手元に工具が無く緩めることができなかったが、ホームセンターで買ったM10サイズの長ナットが、レンチとして使えそう!?



ホームセンターのボルト売場で買った長ナットのM10用が使えた。二面幅の寸法が17mmなので、これを逆転の発想で利用すればトップナットを緩められる。長ナットをアダプター的に利用するのだ。



オイル漏れは無かったのでインナーチューブ内にはほぼ規定量のフォークダンパーオイルが入っていた。スペーサーワッシャーとスプリングを抜き取り、フォークオイルを抜き取った。劣化オイルのイヤな臭いがする。



インナーチューブをフルボトムまで押し込み、長いTレンチをインナーパーツのシートパイプ頭頂部に押し付け、ダンパーパイプが回転しないように押さえながら、ボトムボルトを緩めた。共回り時はインパクトを利用しよう。



ボトムボルトを緩めたらフォーク本体を逆さまにして、インナーチューブ内からシートダンパーパイプを抜き取る。過走行車両の場合は、樹脂製ピストンリングが磨耗しているケースもあるので、そんなときは交換したい。

ボトムケースのオイルシールは専用SSTを使って抜き取ろう 



ボトムケースに打ち込まれているオイルシールは、専用プーラーで抜き取ろう。このモデルはオイルシールが奥まっていて抜き取りにくかった。シールの圧入座(ボトムケース内壁)にキズを付けないこと。



作業時には純正新品部品が購入できたので良かったが、部品供給が終わっていたら社外部品で対応しよう。複数のオイルシールメーカーから適合寸法のオイルシールが発売されているはずだ。



キズが付かないように慎重に作業したが、以前のメンテナンス痕跡のキズが残っていた。リューターを使ってキズのバリ除去を行った。キズ凸凹のまま組み立てると、オイル漏れや滲みの原因となってしまう。

サンデーメカニックなら各種オイルシールプーラーは所有したい



フロントフォークを分解するために利用した各種工具類。17mmの長ナットは、フロントフォークに限らず様々な場面で活躍してくれる。ダンパーシートパイプが供回りしてしまう時にはT型ロングレンチがあると便利だ。

磨きのプロによる仕上げは全く違う「しっとり仕上げ」が美しい 



バフ研磨のプロショップ、根岸研磨さんで純正タイプのしっとり仕上げでオーダーした。自分で磨けない部品ではないが、輝きがムラになってしまうのが素人の仕事だろう。さすがにプロの仕上げは素晴らしい!!

取材協力/根岸研磨 www.neken.co.jp 

POINT
 

 

  • ポイント1・人気モデルにはリプロダクション部品の設定があって新品インナーチューブを購入できる例もあるが、新品部品が無いときには再生ハードクロームメッキで仕上げよう 
  • ポイント2・再生ハードクロームメッキは、メッキの膜厚が確保されるので、後々サビが発生しにくい特徴もある 
  • ポイント3・ボトムケースにダメージを与えないように、特殊工具でオイルシールを抜き取ろう 

 

 「修理できたらお願いします……」と言う申し送りで預かったバイクが、前輪23インチホイールで知られるホンダXL250Sだった。車両を預かった当初、インナーチューブは程度良さそうなので「磨きでイケそうかな?」と楽観視。ところが、前輪、そしてフロントフェンダーと取り外すと、ステアリングステム(アンダーブラケット)やトップブリッジの締め付け部周辺に、いくつものピンホールサビを発見。修理後は意外と目立ってしまいそうな雰囲気に見えた。確かに、機能的には問題無い場所のサビかも知れないが、インナーチューブのメッキが深く輝いているのは美しいバイクに見えるし、そんな仕上がりにしたいとはオーナーさんの要望。そうとなれば、再生ハードクロームメッキ処理に依頼するしかありません。

 メーカー純正部品のハードクロームメッキは、コストダウンでハードクロームメッキ膜厚が薄い印象(特に70年代末から80年代のモデルはそんな印象)なのに対して、再生ハードクロームメッキは質感が高く、驚きの輝きとツヤでピカピカに仕上げられる。

 再生ハードクロームメッキをお願いしたのは、福岡県久留米市の東洋硬化さん。とにかくその仕上がりはバツグン!!装飾メッキとは異なり、精密な寸法管理(1/1000ミリ単位)のもとで仕上げられる再生ハードクロームメッキは、納品された部品を見れば誰もが驚く美しさだ。再生作業へ取り掛かる前には、インナーチューブの曲り点検と修正も確実に行なわれるので安心して依頼できる。前述したが、コスト優先のメーカー純正インナーチューブとは異なり、メッキ膜厚を確保しているため、再生処理後はサビが発生しにくい特徴も持ち合わせている。

 フロントフォークの分解と同時に、アルミの腐食が進んでいたボトムケースは、根岸研磨さんへバフ磨き仕上げをお願いした。以前はピカピカの鏡面仕上げが流行ったが、現在ではなく、メーカー純正仕上げにも似た「しっとり感のある仕上げ」が人気なので、そのしっとり仕上げでお願いした。インナーチューブとボトムケースが仕上がってきたので、今後の組み立て作業が楽しみだ。

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/maintenance/577597/

入手困難なフロントフォークのインナーチューブは再メッキ処理で修理【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery3/577597/577600/

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