2026年9月、クラウンのクロスオーバー、スポーツ、セダンがそろって商品改良を受けた。ところが、4モデルのなかでエステートだけは従来型のまま。なぜエステートは今回の改良から外れたのか。発売時期や現在の装備から、その理由を考えてみよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】イマのままでも十分完成度高いのに……2026年末には改良!? クラウンエステートの内外装をじっくり写真でチェック!(13枚)画像ギャラリー4兄弟でエステートだけ改良されなかった!
トヨタは2026年9月、クラウンのクロスオーバー、スポーツ、セダンを一部改良した。クロスオーバーとスポーツではハイブリッドシステムの性能向上や装備の充実が図られ、セダンにも新グレードや後席用ディスプレイが用意された。
ところが、クラウンファミリーの一員であるエステートは今回の対象に含まれていない。4兄弟のなかで唯一、従来型のままとなったのである。
ただし、エステートだけが放置されたわけではない。トヨタはエステートの商品改良について、2026年末を予定していると明らかにしている。ほかの3モデルより数カ月遅れて、改良型が登場することになる。
その最大の理由と考えられるのが、発売時期の違いだ。
現行クラウンは、2022年9月にクロスオーバーから販売を開始。2023年にはスポーツとセダンが加わった。一方、エステートが発売されたのは2025年3月であり、クロスオーバーより約2年半、スポーツやセダンよりも1年以上遅い。
2026年9月時点で、クロスオーバーは発売から約4年、スポーツとセダンも約3年が経過していた。これに対してエステートは、まだ登場から約1年半しかたっていない。商品改良の周期が異なるのは、むしろ当然といえる。
しかもエステートは、発売時点でクラウンシリーズの進化を先取りしていた。2.5Lハイブリッドを積むZでは、当時のクロスオーバーやスポーツに対してフロントモーターの出力を約5割高め、荷物を積んだ状態でも余裕のある加速を実現している。
さらに、後輪操舵システムのDRSや電子制御サスペンションのAVS、後席の揺れを抑えるリヤコンフォートモードも採用。新しいクラウンファミリーの最後発モデルだけに、走りや快適性は最初から高い水準に仕上げられていたのだ。
年末改良では装備充実と価格上昇に注目
では、2026年末に予定されるクラウンエステートの商品改良では、何が変わるのだろうか。現時点で具体的な内容は公表されていないため、ここからは9月に改良された3モデルを手掛かりに予想することになる。
有力なのは、装備や内外装のアップデートだ。クロスオーバーとスポーツには、10スピーカーと8チャンネルオーディオアンプを組み合わせたトヨタプレミアムサウンドシステムが採用された。ステアリングホイールやシフトノブの素材も見直され、上級車らしい質感が高められている。
こうしたクラウンシリーズ共通の装備が、エステートにも展開される可能性はありそうだ。ボディカラーや内装色の整理、安全・運転支援機能のアップデートなども考えられる。
一方、ハイブリッドシステムが大幅に変わる可能性は、それほど高くないかもしれない。エステートZは前述のとおり、登場時から高出力型のフロントモーターを採用している。RSのPHEVもEV走行距離89kmを確保するなど、現在でも十分に競争力がある。
エステートには通常時570L、後席格納時1470Lという広大な荷室がある。さらに後席を倒すと、長さ2mの完全にフラットな空間を作ることができる。引き出し式のデッキチェアやデッキテーブルまで用意され、実用性についてもほかのクラウンとは明確に差別化されている。
つまり、9月に改良されなかったからといって、エステートの商品力が急に見劣りしたわけではない。むしろ最後発モデルだからこそ、現行型のままでも性能や装備が新しいのである。
悩ましいのは購入のタイミングだ。年末改良で装備が充実する一方、車両価格が引き上げられる可能性もある。現在の仕様やボディカラーが気に入っており、早く乗り始めたいなら現行型を選ぶ手もある。急いでいないなら、年末の正式発表を確認してから判断するのが確実だ。
クラウンエステートだけが9月改良を受けなかった理由は、仲間外れにされたからではない。4兄弟で最も遅く登場し、最初から新しい技術を盛り込んでいたため、商品改良の時計もほかのモデルより遅れて進んでいるのだ。年末にどんな進化を見せるのか、いよいよ注目である。
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