6月10日に発売した新型軽クロスオーバーSUV「ダイハツ タフト」が、好調な滑り出しを見せている。
月販目標を4000台に設定したのに対して、発売1か月後の受注台数はその4.5倍にあたる約1万8000台に達している。流通ジャーナリストの遠藤徹氏によれば、7月中旬現在の納期は3か月待ちの10月中旬となっており、今後は月販5000台以上のペースで売れ続ける見込みとのこと。
タフトは、従来のキャスト・アクティバ/スポーツの後継モデルとして登場。よりSUVコンセプトに寄せた新型車で直接のライバルはもちろんスズキの「ハスラー」である。
新型タフト、ハスラーそれぞれの販売現場では早くも熾烈な争いが始まっているのか? 遠藤徹氏が足で稼いだ最前線の最新情報をもとに解説。
文:遠藤徹
写真:平野学、DAIHATSU
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新型タフトの登場で競合激化もハスラー陣営に相乗効果も
こちらも2019年12月24日にフルモデルチェンジして2代目にバトンタッチし、好調な販売のスタートを切っている。今年1~6月の月販平均台数は6236台で前年同期に比べて25.9%もの大幅な増加。このコロナ禍にあっては大健闘といえる。
6月における軽自動車の銘柄別月販ランキングではN-BOX、スペーシア、ルークスに次いで4位に浮上している。なんとダイハツのタントよりも販売台数が多いのである。7月中旬現在の納期は約2か月でフルモデルチェンジ後7か月以上が経過しているモデルにしては好調といえるだろう。
タフトVSハスラーの販売現場での戦いはすでに始まっている。
首都圏にある某ダイハツ正規代理店の営業マンによると「新型ハスラーとはよく競合し、取ったり取られたりの状況が頻繁に発生している。このほかスズキ車ではアルト、アルトラパン、ワゴンRからの代替えが目立つ」とVSハスラー中心の対決ぶりをコメントする。
スズキの正規代理店やアリーナ店の営業マンも「タフトが発売になり、競合のケースが目立って増えている。ただ、ダイハツ車のムーヴ、キャストからの乗り換えも多いので、ハスラーにとっては困ることはない。むしろ相乗効果で販売が加速状態にあるので、タフトの登場は歓迎である」といった受け止め方をしている。
競合してもユーザー層には違いも! 販売現場での共通点や値引きは?
ユーザー層を分析すると、ただ競合で取ったり取られたりするだけではないことがわかる。走りやワイルドを重視する男性はタフト、燃費やデザインのキュートさを好む女性はハスラーといった分かれた売れ方で分けている側面もある。
販売現場で共通しているのは両モデルとも最上級のターボグレードの人気が高いことだ。FFと4WD駆動車では60%程度がFFで40%が4WDで他の量販モデルに比べると4WD比率が比較的高い。どちらも遊びグルマとしてのコンセプト重視の仕立てをしているためと思われる。
ナビ、ETC、ドライブレコーダー、コーティングなど必要なオプション&付属品を装備すると、法定、法定外費用を含めて220万円以上になるので、現金で購入するユーザーは少なく、70%以上が残価設定クレジットを利用している。
大部分は5年、60回払いである。ダイハツ店、スズキ店とも残価設定クレジットを利用すると10万円相当のサービスパックが無料になるのも残価設定クレジットの利用率を高める要因になっている。
値引きは下取り車なしだとどちらも総額から10万円程度に引き締めている。うち車両本体からは5万円、オプション&付属品から10%引きが初回交渉でに提示条件が多い。
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