車選びにはさまざまな判断基準があるだろう。性能やサイズ、デザイン、メーカーなど、ひとつずつあげればキリがないが、やはり最も大きいのは「価格」だろう。
そして、「予算250万円まででハッチバックを買いたい」という場合、例えば、ある車種の最上級グレードと1クラス上の車種の最安グレードが、価格的に大差ないという場合も多い。
安い車の最上級グレードと高い車の最安グレードは、どちらを選ぶべきなのか? 全8番勝負のケースを解説します。
文:岡本幸一郎、渡辺陽一郎、大音安弘、永田恵一
写真:TOYOTA、SUBARU、HONDA、SUZUKI、Daimler
ベストカー 2020年7月10日号
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カローラスポーツ【最安】VSヤリス【最上級】
■カローラスポーツ/220万2200円(G“X”CVT 2WD)
■ヤリス/229万5000円(HYBRID Z 1.5L・2WD)
この組み合わせは非常に難問。
普通のコンパクトなベーシックカーだったヴィッツ時代と違って、ヤリスはプチプレミアムコンパクトっぽい雰囲気を感じさせる。
だから約230万円しても妙に納得できるものがあるし、それにパワフルで超絶低燃費を誇るハイブリッドを搭載するというのはかなり魅力的だ。
とはいえ、同じTNGA(=新世代プラットフォーム、トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャーの略)でも、車格の違いからプラットフォームをはじめ与えられているものが全体的にカローラスポーツのほうが上。
コンパクトなサイズとハイブリッドにこだわらなければ、カローラスポーツのほうが満足感は高そうだ。
【文:岡本幸一郎】
インプレッサスポーツ【最安】VSフィット【最上級】
■インプレッサスポーツ/200万2000円(1.6i-L EyeSight)
■フィット/232万7600円(e:HEV LUXE FF)
Bセグメント車(編注:国産ではフィット、ヤリスなどの車格が該当するコンパクトカー)を持っていないスバルが、まさしくフィットクラスのお客さんをカバーすべく、インプレッサスポーツに廉価モデルを設定したわけだが、安くするために少々無理している感もなきにしもあらず。
装備など全体的には安普請だし、せっかくスバルなのにAWDでもない。
そのあたりを理解したうえでわりきってインプレッサスポーツを選ぶならアリだけど、かたやフィットは小さくても車内や荷室は広いし、e:HEVのLUXEなら走りもかなり洗練されている。
“イチバン上等なフィット”を求める人にとって、期待を超える仕上がりだと思う。フィットを買うべし!
【文:岡本幸一郎】
フリード【最安】VS N-BOX【最上位】
■フリード/199万7600円(B・Honda SENSING)
■N-BOX/199万6500円(Custom G・EXターボ Honda SENSING)
グレードは一般的に中級が最も割安だ。上級には生産量の少ない装備が採用され、コストを下げにくく割高になる。
N-BOXカスタム「G・EXターボ ホンダセンシング」は、スライド量の長い助手席を備え、シートベルトを含めて専用設計で価格も高い。15インチアルミホイールも2グレードのみの採用で約200万円に達した。
一方、フリード「B ホンダセンシング」は、法人の利用も視野に入れて装備を簡素に抑えた。スライドドアの電動機能が唯一装着されず、サイド&カーテンエアバッグのオプション設定もない。選ぶならN-BOXだ。
【文:渡辺陽一郎】
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