クルマは屋根付きの駐車場に保管していても、チリやホコリは付着するし、走れば直射日光にもさらされたり、突然の雨にやられることもある。
それが屋根なしの駐車場の場合は雨ざらしにもなるし、ギラギラ照りつく太陽にさらされることも日常茶飯事とコンディションはシビアになる。
そんなことを考えていたらクルマなんて乗れないが、できるだけピカピカのきれいなクルマに乗りたい、と考えるなら『クルマの塗装の敵』について知っておく必要がある。
本企画ではイオンデポジット、ウォータースポット、水アカといった水に由来する塗装の敵について見ていく。
写真:奥隅圭之、平野学、池之平昌信、ベストカーWeb編集部、ベストカー編集部、Adobe Stock
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塗装は大きく進化しているが敵は存在する
塗料、塗装技術の進化は目覚ましく、日本車のクォリティが飛躍的に向上した1990年代と比べても雲泥の差です。かつては退色することの多かったソリッドの赤系を筆頭に濃色系も耐久性が大幅アップしています。
今ではナチュラルマットカラーのクルマを見ることも少ないと思います。
しかし、クルマの塗装の耐久性が向上している現代でも、塗装の敵は存在します。いろいろな敵が存在しますが、最も身近な存在である水に着目し、いろいろなケースについて考察していきます。
洗車時の水道水が悪さをする!?
今ではよく耳にするようになったイオンデポジットですが、最大の原因となるのが洗車時の水です。
一般的に洗車をする場合、個人であろうが洗車機を使うにしても水道水を使うと思います。しかしこの水道水が曲者なのです。
実は水道水にはいろいろなミネラル成分が含まれています。そのほか消毒のための塩素(カルキ)、不純物なども入っています。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分、混入物が悪さをするわけです。
ちなみに、水道水は場所によっても成分が大きく違いますが、イオン濃度(数値が大きいほどミネラル成分が多い)を測定する純水が0ppmなのに対し50ppm前後となっています。
具体的に言うと、洗車をした時にしっかりと拭き取らなかったり、水分が一気に蒸発したりした場合、水分だけが抜けて塗装面にミネラル成分や不純物が残り固着します。
白っぽい水垢のようなもので、当然白系よりは濃色車のほうがわかりやすいのですが、裏を返せば白系のクルマはイオンデポジットに気づきにくいため注意が必要になってきます。
そのほかではウィンドウウォッシャー液がボディに付着して、その成分がイオンデポジット形成の要因になることもありますので、ウィンドウウォッシャー液を使用した時は、洗車が必要になります。
あと、ミネラルと言えば塩分(塩化ナトリウム)。そう海です。海辺に行くだけでカラダが塩っぽくなるのと同様に、クルマには多くの塩分が付着します。
夏場は海に行く機会も増えますが、これを放置しておくと、イオンデポジットの要因になりますので洗車をお忘れなく。
このイオンデポジットは水分が乾く前に、きれいな水で流し水を拭き取ることによって発生を最小限にとどめることができますが、気づかないうちに堆積してくると塗装に大きなダメージを与えます。
このイオンデポジットは、塗装面だけでなく、ウィンドウ類にも付着しますので、ウィンドウのケアもしっかりするようにしましょう。
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