月に200店舗のディーラーを周り、「生」の新車情報を仕入れてくる「販売の鬼」遠藤徹氏。
毎号ホットな新型車ニュースを仕入れてきてくれるが、今回もトヨタの販売店情報、日産の新型ノート、ホンダシビックの売れ行きなどを調査してくれました。
文:遠藤徹
ベストカー2017年9月27日号
■カローラを10月11日にマイナーチェンジ
トヨタはカローラシリーズ(アクシオ、フィールダー)を10月11日にマイナーチェンジします。来夏にはフルモデルチェンジする時期を迎えることから、今回は現行モデルでの最終の改良となります。
改良ポイントは、内外装のデザイン変更や安心パッケージ「トヨタセーフティセンスC」の標準装備車設定などが主な内容です。
現行シリーズは8月いっぱいでオーダーストップとなり、在庫一掃セールに入ります。なお、現行型は「トヨタセーフティセンスC」がオプション設定(5万4000円)ですが、これが改良モデルは標準装備になり、ほぼこの分が値上げとなる見込みです。
■トヨタは4系列店4モデルの専売態勢を維持
トヨタはこのほど「4系列店の主軸専売モデル」について、現在の「各1車種態勢」を今後も維持する、と各販社に通達したようです。
その主軸モデルは、トヨタ店はクラウン、トヨペット店はハリアー、カローラ店はカローラ、ネッツ店はヴィッツの4モデルを指定しています。ただしクラウンについては東京地区がトヨペット店との併売となっており、こちらは特殊事情で例外とします。
このほか、各チャンネルの専売モデルは数車種ありますが、一部は専売モデルとして継続する可能性も残されています。
2025年までには現行乗用車のラインアップのうち75%は他系列店との併売車として再編することを販社に伝えています。
トヨタ4系列店態勢は当面維持継続する方針で、地域によっては合同店舗化も進めていくスタンスです。
トヨタは、同クラスの主軸モデルについては統合し、他系列店との併売にするか、ボディを共用しながら内外装のデザインを変えた姉妹車構成で差別化すべく再編を進めています。
将来の国内新車マーケットが(全メーカー合計で)年間500万台規模と低成長化に移行するなかで、トヨタはレクサスを含めて150万台を維持するためのモデル政策の再編策と位置づけています。
■日産ノートがハイビームアシストの標準装備など仕様変更
日産は9月1日、ノートを一部改良しました。今回の改良は、ハイビームアシストの標準装備化や特別仕様車の設定による商品ラインアップの強化、クルーズコントロールのオプション設定などが主な内容です。価格は5万円程度の値上げとなります。
同時にSUV風グレード「クロスギア」の発売も発表。こちらは10月30日より発売開始となります。
ノートは(e-POWERを中心に)日産の中心モデルとなっており、今回の一部改良でさらに販売を伸ばし、トヨタのプリウスやホンダの新型N-BOXに対抗していく構えです。
■ホンダの新型シビックシリーズはこの先苦戦かも
ホンダが2017年7月27日に発表、9月29日に発売となる新型シビックシリーズ(4ドアセダン、5ドアハッチバック、タイプR)は、今後販売での苦戦の可能性が指摘されています。
シビックシリーズは、ホンダの各販売店向けに策定した資料には月販計画が1500台と提示されています。
しかし、首都圏の有力販売店筋によると「立ち上がり時だとこの程度は新型車効果で達成できるだろうが、半年もすれば1000台を割り込み、その後は徐々に頭打ちになるだろう」とコメントしています。
理由は主にふたつありそうです。
ひとつは現行シリーズがかつてのようなコンパクトサイズではなく、ミディアムクラスに上級シフトし、割高な価格設定になっていることです。シビックのイメージとはかけ離れているのです。
もうひとつは、5ドアハッチバックとタイプRはイギリス製の輸入モデルということです。輸入モデルだと、供給態勢に課題があり、台数を稼ぐのは難しいといった見方です。現に滑り出しの受注ピッチは今ひとつの状況。
納車待ち自体は伸びていますが(すでにタイプRは今月中に成約しても納車は来春とのこと)、そうした「納期の遅さ」も販売にブレーキがかかる要因のひとつだと指摘されています。
コメント
コメントの使い方