トヨタの誇るラージミニバン「アルファード/ヴェルファイア」。現在、アルファードが販売台数ランキングで常にトップ10入りする好調さを見せているが、店舗統合でヴェルファイアとの関係に変化があったのだろうか? と思っていたところに、まさかの情報が飛び込んできた!
ヴェルファイアが、フルモデルチェンジを待たずモデル廃止もありうるのでは!? という驚きの情報だ。なぜそのような状況となっているのか!? 現場取材で掴んだ最新情報と、漏れ伝わってきている次期型情報を一挙お届けする。
文/遠藤徹
写真/TOYOTA、編集部
【画像ギャラリー】人気車だけにその動向が気になる!! アルファード/ヴェルファイア、その顔つきの変化を追う
■すでに土俵際!? アルファード/ヴェルファイアの現状と先行き
トヨタは、2022年初めにも「アルファード/ヴェルファイア」をフルモデルチェンジする予想だが、その際にアルファードに1本化する方向で次世代モデルを開発している模様である。
2020年5月に全国規模でトヨタブランド車の全系列店併売に踏み切った結果、両モデルの勢力図は明らかな変化が生じている。アルファードが圧倒的な販売台数で好調に推移しているのに対して、ヴェルファイアは極端な激減状況になっているのである。以下に2015年から2019年までの販売差台数をまとめてみた。
2015年販売台数 アルファード:4万4366台 ヴェルファイア:5万4180台
2016年販売台数 アルファード:3万7069台 ヴェルファイア:4万8982台
2017年販売台数 アルファード:4万2281台 ヴェルファイア:4万6399台
2018年販売台数 アルファード:5万8806台 ヴェルファイア:4万3130台
2019年販売台数 アルファード:6万8705台 ヴェルファイア:3万6649台
最新の2020年7~8月の登録実績を見ると、7月はアルファードが8448台、前年同月比35.6%増、8月:7103台、同53.5%増といずれも大幅な増加なのに対して、ヴェルファイアは7月:1289台、同61.6%減、8月:1226台、40.6%減であり、7月で6.6倍、8月は5.8倍もの大差がついているのである。
両兄弟車の明暗が大きく分かれたきっかけとなったのは、2017年12月18日に実施したマイナーチェンジだった。それまでヴェルファイアのフロントマスクは若者ユーザーを意識した個性的なデザインを採用、これに対してアルファードは一般受けのするおとなしめのグリルを中心とした仕立てだった。
しかしマイナーチェンジでは、アルファードを押し出しの強い顔立ちに、ヴェルファイアは逆にオーソドックスなデザインに変更した。これによって、それまで販売台数はヴェルファイアがリードしていたのが逆転することになった。それが5月の全系列店併売になったことで余計に拡大加速している。
両モデルはボディパネル、パワーユニットなどの基本コンポーネントが同じ、グレードの名称だけが違い、価格も同一である。当然クオリティ、仕立ても同じだから、内外装のデザインが違うだけで、これほどの格差が生じるのは普通だと考えられないはずである。
プラスの要因としては「アルファードのほうがよく売れ、近い将来アルファードへの1本化が有力視され、ヴェルファイアがなくなるのであれば、購入してもリセールバリューが落ちるので、手放す時に損をする…」といった見方がユーザーに広がり、それが最近の格差に広がっているともいえる。
実際に2020年になってからの両モデルの下取り車価格は、5年後でも20万円程度アルファードのほうは高値がついており、これが売れ行きに大きく影響を与えているといった側面もある。
こうした状況がますます濃厚になれば、フルモデルチェンジを待たずに途中の一部改良でヴェルファイアのモデル廃止が断行されるかも知れない。
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