日産はリーフ100%EVを市販することによって、世界中のどのメーカーよりも早く電動化に舵を切った。
そのいっぽうで、ハイブリッドに関してはトヨタが先導し、その直後にトヨタのハイブリッドよりも高効率と言われていたオリジナルハイブリッドシステムを登場させたが、トヨタとのギャップは開くいっぽうで後れは否めない状況が続いていた。
そんな日産だったが、小型車としては世界初となるシリーズハイブリッドのノートe-POWERを登場させて一気に挽回。日産にとってe-POWERは重要な戦略で、今後はフルラインも目指していると言われている。
本企画では、国沢光宏氏がe-POWERの持つポテンシャル、今後の展開などについて考察していく。
文:国沢光宏/写真:NISSAN、HONDA、平野学、ベストカー編集部
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当面電動化の主役はハイブリッド
日産の直近10年はe-POWERにかかっている、と思う。「電気自動車じゃないのか?」みたいに考える人もいるだろうけれど、100%電気自動車が主役になるのは10年後くらいのイメージになるだろう。
なぜe-POWERなのか? 一足飛びに電気自動車へ移行せず、燃費よくてリーズナブルなガソリン車のニーズが世界規模で高まってきているからだ。
もちろんガソリンだけで走るクルマの将来などない。2021年から厳しくなっていく燃費規制をクリアしようとすれば、ヨーロッパで普及し始めている48Vの簡易型ハイブリッドじゃ無理。本格的なハイブリッドかPHVが絶対必要になります。
いっぽう、今のところコストパフォーマンスという点で実用化できているハイブリッドは少ない。
世界的に見てもトヨタのハイブリッドと、ホンダの2モーターハイブリッド、そして日産e-POWERの3つだけといってよい。
なかでもトヨタは大量生産によりディーゼル車と同じくらいのレベルまでコストダウンできており、実用燃費でディーゼルを楽々凌ぐ。2030年に始まる一段と厳しい燃費規制まで主役のポジションをキープできるだろう。トヨタ盤石です。
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